農政再構築で地域成長と農業所得向上図ると総理

 岸田文雄総理は9日都内で開かれた日本農業新聞全国大会であいさつし、国会に提出している食料・農業・農村基本法改正案が成立すれば年度内に新たな基本計画を策定するべく、速やかに官邸の食料安定供給・農林水産業基盤強化本部を開催する、と伝えた。

 そのうえで、岸田総理は「新たな基本計画の下で農政を再構築し、農業の担い手の育成確保を図りつつ、世界が求める高品質な農産物の輸出の取組み、生産性を大幅に引き上げる最先端のスマート技術の導入、生産現場の努力が報われる価格転嫁の仕組みづくり、こうしたものを体系的に進めていく」と語った。

 岸田総理は「食料・農業・農村を取り巻く社会課題に対し、正面から向き合い、官民連携の下に解決し、地域の成長、農業所得の向上につなげていく。地域を支える農業という舞台で、若者を含め、より多くの方々が意欲と誇りを持って活動いただけるよう、内閣として全力で取組んでいく。その際、農政の基本は現場にあることを常に忘れず、現場の方々に寄り添い、思いをしっかり受けとめ実践的な政策を展開していく」と強調した。

政府は食料安全保障強化の観点から過度な輸入依存からの脱却、川上から川下までサプライチェーン全体の強靱化につながる構造転換を進めたいとしている。農水省資料では2022年の食糧自給率はカロリーベースで38%と1965年(昭和40年)の73%から大幅低下している。政府は2030年度に45%まで引き上げられるよう数値目標をたてている。(編集担当:森高龍二)

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