地方自治法改正で国に地方自治体へ「指示権」も

 地方自治法の改正案が審議入りしている。これは大規模災害や感染症流行など「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」が発生した際、国が自治体に必要な指示ができるという内容を含んでおり、懸念する声も上がっている。

 日本共産党の志位和夫議長は10日までにXで「衆院で審議入りした『地方自治法改定案』の最大問題は政府が『国民の安全に重大な影響』と判断すれば、国に地方自治体への『指示権』を与え、国に従属させる仕組みをつくるもの」と警鐘を鳴らした。

 「憲法が保障した地方自治が死に瀕する! 裏金政権が何の反省もないまま悪法ごり押しは許せない! 廃案の声を国会に!」と法案廃案を呼びかけた。

 松本剛明総務大臣は10日の記者会見で「改正は地方分権の成果を尊重した上で、国民の命を守っていくためにどのような地方制度が求められるかという重要なテーマへの第33次地方制度調査会の答申を踏まえたもの」と強調。

 「国民の生命等を保護するため、国と地方を通じた的確、迅速な対応を国民の安全に重大な影響を及ぼす事態において可能とするもので、地方分権の流れに逆行するものとは考えていない」と語った。

 また「補充的な指示の運用に当たっては国民の皆さんと直接接していただいている自治体と十分な情報共有・コミュニケーションを確保した上で、目的達成のために必要最小限の範囲で行使される運用とすることが大切と考えており、この旨を丁寧に説明していきたい」などと理解を求めた。(編集担当:森高龍二)

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