「広島0-4中日」(11日、マツダスタジアム)
自身への怒り、悔しさを胸に閉じ込めた。降板後の試合終盤、広島・九里亜蓮投手は守備を終えて戻ってくるナインを先頭に立って出迎えていた。先発して6回3安打2失点。無援護で4敗目を喫し、「先に点を与えてしまって、チームを勝ちに導けなかった。そこだけですかね」と自らの投球にフォーカスした。
気合は入っていた。初回を三者凡退で終えると、グラブを数回強くたたいて感情を表現。今季初めて会沢とバッテリーを組み、「会沢さんがいろんなボールを使いながら、しっかりリードしてくれた」。しかし、0-0の六回2死一、二塁から中田に中越えの適時二塁打を浴び、投手戦で先制点を献上。イニングを完結させると口元をグラブで隠しながら悔しさを爆発させた。
これで開幕投手を務めてから7戦連続未勝利で今季初星が遠い。打線も九里が登板した試合では4戦連続で援護点が0。これではいくら好投したって報われない。新井監督は「本人も苦しいと思うし、その中でもしっかり試合をつくってくれている。こちらもよく分かっているので」と無念の思いをにじませた。
九里は無援護による投球への影響も「特にはない」と言い訳も一切なかった。この姿を野手陣も胸に刻みつけているはずだ。次回こそ投打かみ合い、我慢の時に終止符を打つ。