アメリカでは女性医師にかかった方が生存率が高い…医学誌で発表(シェリーめぐみ)

患者とのコミュニケーションが良い結果に(C)iStock

【ニューヨークからお届けします】

男性も女性も、患者は女性医師の治療を受けた方が良い結果が出る、死亡率と再入院率も低いーー。そんな研究結果が発表され、話題を呼んでいます。

この研究は『アナルズ・オブ・インターナル・メディシン』誌に発表されたもので、カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部の津川友介准教授が中心となって行われました。

研究チームは2016年から4年間、約46万人の女性患者と32万人の男性患者のデータを分析。そのうち男女共に約31%が女性医師の治療を受けていました。

研究の結果、女性患者を女性医師が治療した場合の死亡率は8.15%だったのに対し、男性医師では8.38%。また男性患者を女性が治療した場合の死亡率は10.15%だったのに対し、男性医師では10.23%と、いずれも女性医師の方が良い結果を出しています。

その理由について、研究チームはこうコメントしています。

「女性医師は男性医師に比べ、患者と接する時間が長く、医療上の意思決定に関する話し合いに多くの時間を費やしているからです」

つまり、患者とのコミュニケーションで、女性の方が男性より優れていることが、良い結果につながっていることがわかりました。

また外来患者に対しては、女性医師が男性医師よりも電子カルテに多くの時間を費やし、より質の高いケアを提供している。また外科手術に費やす時間も長く、術後の再入院率が低い事もわかっています。

2022年のデータでは、アメリカの女性医師の割合は37%です。

実はこれまでにも、女性医師の方が良い結果を出しているという研究があります。

「今後は男性医師に対し、女性医師を真似るためにどのようにトレーニングを提供するかを考えることで、医療の質の向上させることができる」

そう研究者は語っています。

(シェリーめぐみ/ジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家)

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