お菓子のサイズを小さくすることでダイエット効果あり?

サイズが小さいほど効果あり!(C)iStock

【役に立つオモシロ医学論文】

米国では、1日のエネルギー摂取量のうち、約4分の1が間食(おやつ)から摂取されていると見積もられています。当然ながら、間食の摂取量が多いと、肥満のリスクが高まります。

これまでに報告されている研究によれば、ビスケットやクッキー、チョコレートでは、1回に食べる量を少なくしたり、1食分の大きさを小さくすることで、エネルギー摂取量の低下が示されていました。

しかし、一連の研究報告は、甘いお菓子を中心に検討されており、しょっぱい(塩味のある)お菓子に関する研究は限られていました。そのような中、塩味のあるスナック菓子1個当たりの大きさと、その総摂取量を検討した研究論文が、食欲に関する専門誌の電子版に2024年3月8日付で掲載されました。

米国で行われたこの研究では、75人の被験者(平均41歳、平均BMI28.2)が対象となりました。被験者は、週に1回、3週間にわたって塩味のあるスナック菓子を食べています。研究で提供されたスナック菓子は、1個当たりの重さが0.5グラムまでの小サイズ、1.5グラムまでの中サイズ、10グラムまでの大サイズに分類され、菓子の大きさと食べる速度、菓子の摂取量などが検討されました。

その結果、大サイズの菓子を食べた場合、小サイズの菓子に比べて31%、中サイズの菓子と比べて22%、統計学的にも有意に総摂取量が増加しました。また、食べる速度についても、大サイズの菓子を食べた場合で最も速いことが分かりました。

論文著者らは「菓子1個当たりの大きさが食べる速度や1口当たりの摂取量に影響を及ぼし、菓子の総摂取量に影響する」としたうえで、「菓子の大きさは、摂取量を適正化するうえで利用可能な食品の特性である」と結論しています。

(青島周一/勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰)

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