イケメンタッグの世代交代は失敗!世界最速イケおじタッグが新王者となるもダフ屋上がりの無法者の襲撃に屈する

11日、東京都・新木場1stRINGにてTTTプロレスリング『CONVICTION 4』が開催された。

TTT(TOTAL TRIUMPH TEAM)とは、デビュー前に故・ターザン後藤さんに指導を受け、デビュー後にはミスター雁之助に師事した黎明期インディープロレスの後継者的存在であるガッツ石島が2020年1月に“インディープロレス統一”を掲げて旗揚げした団体。90年代インディーの空気を色濃く残したディープなメンバーが参戦しており、令和最新型の“平成”を創り上げている。

また、TTTは都内の商店会と協力してプロレスでの町おこしを行っており、老若男女にプロレスの楽しさを伝える草の根運動を展開。これが実を結んで安定した集客を実現し、旗揚げ4周年を迎えた今年の12月28日には団体初の後楽園ホール大会開催を決定するなど成長を続けている。

TTTでは、数十億円に及ぶとも言われる大富豪・TTTの石川会長の個人資産に目をつけた悪の軍団【渡鳥連合】の侵略を受けていたが、今年1月大会でついに首魁たる藤原秀旺を打ち破って追放に成功。
団体の至宝たるインディー統一無差別級王座をガッツ石島が、インディー統一タッグ王座を瀧澤晃頼&神崎ユウキが戴冠するに至り、ダフ屋行為まで行っていた秀旺もいなくなったことでTTTは平和を取り戻した。

タッグ王座を保持する瀧澤&神崎は、これからのインディープロレス界を担っていく気鋭の若手。ともに鮮やかな空中技を操るハイフライヤーであり、高い女性人気を誇るイケメンタッグだ。
2人はTTTが団是とする“インディー統一”の志を強く持っており、全国のインディー団体の名タッグ狩りを宣言。4月の初防衛戦では台湾からの刺客を制して勝利を収めており、その実力は世界に通用し始めている。

この日、瀧澤&神崎に挑戦したのは、【Speed of Sounds(SOS)】ツトム・オースギ&バナナ千賀。
闘龍門生まれの2人はデビューから20年を経ても華麗な空中技と業界屈指のスピードを誇っており、インディー界のタッグ戦線を荒らし回ってきたタッグの名手。同期の絆によるタッグワークはまさに阿吽の呼吸であり、瀧澤&神崎にとっては超えていかねばならない高い高い壁だ。

実力では劣ると見た瀧澤&神崎は、SOSの闘い方を徹底研究。
試合が始まると2vs1の構図を取るよう立ち回り、SOSのプランチャの編隊飛行も先回りして潰していく徹底ぶりを見せて序盤戦を優位に進める。
しかし、オースギが1人で王者2人を相手取っている間に千賀が暗躍。コンビネーションの要を潰して王者組のペースを乱し、一糸乱れぬダブルドロップキックやダブルブレーンバスターなどの連携攻撃を続けて逆転の狼煙。
瀧澤&神崎もコーナー上で肩を組んでのダブルミサイルキックなどの得意の連携を繰り出して食い下がり、神崎が垂直落下式フィッシャーマン・バスターから必殺のフロッグ・スプラッシュを投下してオースギを仕留めにかかる。
オースギはこれを剣山で迎撃して前方回転エビ固め。神崎が慌ててキックアウトした瞬間に千賀が顔面へ低空トラースキックを叩き込み、そのままオースギが丸め込んで3カウント。ベテランの妙技が光る王座戴冠劇を見せた。

なお、この日のセミファイナルでは、3ヶ月ぶりにふらりと現れた藤原秀旺の一味が試合に乱入したことでぶち壊されていた。
死闘を終えたばかりで身動きが取れないSOSに対し、秀旺の一味が乱入して袋叩きに。

その後、マイクを取った秀旺は5月21日の王子BASEMENT MON☆STAR大会にて秀旺がガッツの持つインディー統一無差別級王座に、定アキラ&後藤恵介がSOSの持つインディー統一タッグ王座に挑戦することを一方的に決定。
会場の空気も予定調和も何もかもぶち壊していく“やべーやつ”が戻ってきてしまったインディー界隈はまた荒れることになりそうだ。

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