「自分たちも2点を取って...」逆転勝利の横浜指揮官が第2レグへ自信。チームの成長も実感「試合ごとに強くなっている」【ACL決勝】

[ACL決勝・第1レグ]横浜 2-1 アル・アイン/5月11日/横浜国際総合競技場

横浜F・マリノスは5月11日、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の決勝・第1レグで、UAEのアル・アインと横浜国際総合競技場で対戦した。

横浜は序盤からボールを保持し、試合を優勢に進める。しかし13分、一瞬の隙を突かれ、先制を許す。左サイドからソフィアン・ラヒミに突破されてGKポープ・ウィリアムとの1対1の場面を作られる。ラヒミのシュートをポープが一度はセーブするが、そのこぼれ球に反応したモハンメド・アルバルーシに押し込まれた。

1点を追う横浜は、右サイドから攻め込み、何度かチャンスを作る。前半終了間際には、右ウイングのY・マテウスの折り返しからナム・テヒが決定機を迎えるが、シュートは枠を捉えられなかった。

後半も横浜のペース。テンポの良いボール回しから相手ゴールに迫る。すると72分、同点に追いつく。Y・マテウスの右サイドからのクロスを、植中朝日がヘッドで流し込んだ。

さらに畳み掛ける横浜は86分、ついに逆転に成功。Y・マテウスが右サイドから上げ、逆サイドの宮市亮がシュートしたボールを、中央にいた渡辺皓太が膝に当て、ネットを揺らす。一度はオフサイドの判定も、VAR介入の結果、ゴールが認められた。

後半アディショナルタイムには、相手に押し込まれるシーンもあったが、試合はそのままタイムアップ。横浜が第1レグを2-1でモノにした。

【動画】植中の同点弾&渡辺の逆転弾
試合後の会見で、開口一番に「嬉しい結果」と喜びを口にしたハリー・キューウェル監督は、こう試合を振り返った。

「パフォーマンスも、約束の部分も、選手がしっかり前半からやってくれた。アル・アインはカウンターが強みと予測していたなかで、前半のゴールは相手のやり方でやられてしまった。でもそこで下を向くことなく、前を向いて、自分たちのサッカーをやり続けてくれたし、自分たちのパスや連係などで相手を翻弄できた」

横浜は攻勢に出るなかで、後半に植中が同点弾を決めるまで、なかなかゴールをこじ開けられなかった。その展開をどう分析していたのか訊かれると、指揮官は次のように答えた。

「ずっと言い続けていることだが、サッカーはゴールを決めることが一番難しい。アル・アインのキーパーも素晴らしかった。なかなかゴールを決められなくても、チャンスを作ること、とにかく続けてやっていくことが大事だ。

今日の試合は簡単ではなかったし、タフな試合だった。そのなかであれだけできたのは、良い部分だと思う。しかし、ここで満足することなく、しっかり集中して、セカンドレグに向けて良い準備をしていきたい」

第2レグはアウェーの地に乗り込む横浜だが、キューウェル監督は自信を口にする。

「(第1レグで)相手もゴールを決めて自信を持っていると思うが、自分たちも2点を取って自信を持っているし、自分たちのスタイルでサッカーができるはず。こういう大会でもリーグ戦でも、自分たちは試合ごとに強くなっている。相手がどのようにやってくるか楽しみ」

そして指揮官は「まだ何も成し遂げたわけではない。まだ90分残っている。今日は勝利をしっかり噛み締めて、また明日から、少しでも改善できる部分を改善してやっていきたい」と気持ちを引き締めた。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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