自社工場に直売店併設 菰野町の日の出屋製菓、30種全て販売 三重

【来店を呼びかける千種代表=菰野町菰野の「SENBEI FACTORY SHOP」で】

 【三重郡】三重県菰野町の老舗土産菓子メーカー「日の出屋製菓」(同町菰野)が、自社工場に直売店「SENBEI FACTORY SHOP」を併設した。同社の商品約30種類を全てそろえ、平日は工場見学もできる。〝旅の目的地になる直売店〟を目指している。

 同社は昭和32年の創業。湯の山温泉(同町)の土産菓子として知られる「湯の花せんべい」などの製造販売を手がける。コロナ禍の令和3年には、「旅するお菓子」をコンセプトにしたブランド「tabino ondo(タビノオンド)」を立ち上げた。オンライン販売を始め、県外の小売店でも売り出すなど、逆風の中、新たな販路を見いだした。

 直売店は、車庫として使っていた倉庫の一部を改修した。店内は尾鷲ヒノキを取り入れ、温かみのある雰囲気。店の外に出ると、菓子の製造工程をガラス窓越しにのぞくことができる。

 4月19日のプレオープンと翌20日のオープン初日は2日間で500人以上、大型連休最終日の6日までで約1000人が訪れた。町内や近隣の市町から訪ねてくる人や、県外からは愛知や岐阜県、関西方面からの観光客が目立った。

 県外からの客は、湯の山温泉での宿泊の帰りに立ち寄るケースが多く、3代目の千種啓資代表(43)は「湯の山温泉周辺の立ち寄りスポットの一つとして、地域活性化の一助になれば」と期待する。

 複合温泉リゾート施設「アクアイグニス」から徒歩5分。鈴鹿山系のふもと、田んぼが広がる静かな場所にある。千種代表は「都会にはない里山の風景や菓子作りの現場を間近で見てもらって、買い物を楽しんでいただけたら」と話した。営業時間は午前10時―午後4時。日曜定休。

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