電気学会で優秀論文発表賞 立崎さん(八工大大学院)、さらなる研究に意欲

坂本禎智学長(左)に受賞を報告した立崎智也さん(中央)と指導教員の信山克義教授

 八戸工業大大学院工学研究科(博士前期課程)の電子電気・情報工学専攻2年立崎智也さん(26)=十和田市出身=が、バイオマス由来の電気絶縁体の研究で2023年度電気学会優秀論文発表賞を受賞した。立崎さんは「研究を石油資源枯渇の対策に役立てたい」とさらなる探究に意欲を燃やしている。

 立崎さんは昨年9月に岩手県立大で開かれた23年度電気関係学会東北支部連合大会に参加。35歳程度以下の若手研究者が計190件の研究成果を発表し、8人が同賞に選ばれた。立崎さんは青森県内では唯一の受賞者だった。

 研究内容は、硬質系樹脂のポリ乳酸(PLA)と軟質系樹脂のバイオポリエチレン(BioPE)を組み合わせ、バイオマス由来で柔軟性がある電気絶縁体を作ること。今回は両樹脂の配合比率を変えた実験結果や、組み合わせるために必要な「相溶化剤」に適当な物質などを報告した。

 立崎さんが同大会で発表するのは22年度に続き2回目。ただ、22年度は新型コロナウイルス感染症の影響でオンライン開催だったため、聴衆がいる場では初めての登壇だった。緊張の舞台だったが、「第三者視点の助言や提案をもらうことができ、研究の糧になった」と笑顔で振り返る。

 9日には指導教員の信山克義教授と共に坂本禎智八工大学長を訪ね、受賞を報告した立崎さん。取材に対し、「他の受賞者の発表を聞き、自分がもっと取り組むべき事が見えた。喜びより気が引き締まった思い」と語り、本年度の発表へ向けて気持ちを切り替えていた。【全文】

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