清水ミチコ 私はお笑いタレントではありません。自ら名乗った職業は…

清水ミチコ(88年3月)

【今週の秘蔵フォト】日本屈指の女性ものまねタレントにしてナレーター、女優、ラジオパーソナリティー、歌手、作家、ユーチューバーなどマルチな活動を続け、広い層から支持を集めているのが清水ミチコだ。

大竹しのぶ、松任谷由実、黒柳徹子、桃井かおり、松田聖子、矢野顕子などものまねのレパートリーは数えきれない。特に矢野とはライブを行い、現在では毎年単独で武道館公演を行うなど、もはやものまねの域を超えた才能を発揮し続ける。

1986年ごろからライブハウスで活動を続けて87年にはタモリの超人気番組「笑っていいとも!」(フジテレビ系)のレギュラーに抜擢されると一気に人気は全国的になった。そこからの活躍は説明するまでもないだろう。人気急上昇中の88年3月24日付本紙には、ノリに乗った清水のインタビューが掲載されている。見出しは「30の声と3つの顔を持つ女」だった。

「レパートリーは多くなくて30人ぐらいです。本業の主婦ができなくて、家は散らかり放題。食事も外食が多くなっています」と笑顔を見せた。

前年の12月に発売された「ほとんど面白半分で作っちゃったLPレコード」という「幸せの骨頂」は大ヒット作となった。清水は「私は自分のことをイミテーションシンガーと呼んでいます。決してお笑いタレントではありませんのであしからず」とプライドをのぞかせた。

実は中学生時代から矢野のファンで「歌を歌っているうち本当に好きになって、興味を持つとついマネしちゃうんですよ」と告白。アルバムA面は矢野のものまねなどの歌が中心。B面は20人ものものまねでショートコントを演じる抱腹絶倒の内容だった。

また桃井とは88年に映画「木村家の人びと」で共演。台本読みで桃井のパートをものまねで“代読”したところ、スタジオ中で大ウケ。以来、親交も深まったという。

実は4月から産休に入ることになっており「もう妊娠8か月に入りますから。もったいない? いえ、そろそろ飽きられるころだからいいんですよ」と屈託なく笑った。しかし産後も人気は衰えることなく、現在に至る。数少ない貴重な日本のエンターテイナーである。 (敬称略)

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