芸工大生制作、令和の大絵馬「翁」披露 鶴岡・酒井家入部400年記念

新たに制作された大絵馬「翁」=鶴岡市・荘内神社

 旧庄内藩主酒井家の入部400年を記念し、鶴岡市の荘内神社(石原純一宮司)が東北芸術工科大(山形市)の学生に依頼して、新たに大絵馬「翁(おきな)」を制作した。お披露目会が11日、同神社で開かれ、関係者らが完成を祝った。

 大絵馬は2022年に同神社で開かれた宝生流能楽公演で、20代宗家の宝生和英(かずふさ)さんや和泉流の狂言師野村萬斎さんらが披露した五穀豊穣(ほうじょう)などを祈る「翁」をテーマに、縦0.9メートル、横1.8メートルのスギ材に描かれた。元々1886(明治19)年に制作された、同じ演目を題材とする大絵馬が同神社に所蔵されているが、今回「令和の大絵馬」として長く後世に伝えようと、昨年6月、同大美術科日本画コースの当時2~4年の学生12人に制作を依頼した。

 お披露目会では関係者ら約25人が参列。石原宮司が祝詞を読み上げた後、大絵馬が披露されると、木目を生かした構図や色鮮やかな配色に会場から拍手が湧き起こった。制作に携わった同大4年竹原雅さん(24)は「貴重な経験だった。絵馬を見て、歴史や伝統を感じてもらえたらうれしい」と話した。

 明治と令和の二つの大絵馬は、今月27日から6月末まで同神社宝物殿で一般公開される予定。

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