大坂なおみ、イタリア国際で世界11位を破りベスト16進出!苦手なクレーコートで5年ぶりの3連勝<SMASH>

産休を経てカムバックを遂げた女子テニス元世界ランク1位の大坂なおみ(現173位)が、クレーシーズン3戦目として臨んでいるWTA1000大会「イタリア国際」(5月7日~19日/イタリア・ローマ)。現地11日にはシングルス3回戦が行なわれ、スペシャルランキング(妊娠・出産を経た選手に与えられる救済措置)で参戦している大坂は、第10シードのダリア・カサキナ(ロシア/11位)と対戦。6-3、6-3で快勝し、同大会5年ぶり2度目のベスト16進出を決めた。

クララ・ブレル(フランス/45位)との初戦、マルタ・コスチュク(ウクライナ/20位)との2回戦をいずれもストレートで勝利した大坂。復帰後では最上位の選手との対戦となったカサキナとの3回戦でも勢いそのままに試合の主導権を掌握し、価値ある勝利を手にした。

0-30と先行されたところからオープニングゲームをキープした大坂は、直後の第2ゲームで3本のブレークポイントを獲得。2本は凌がれたものの最後はフォアハンドのウィナーを決めて早くもリードを奪う。第7ゲームでサービスダウンを喫したが、続く第8ゲームではしっかりと気持ちを切り替えて2度目のブレークに成功。そのリードを守り切って第1セットを先取する。

第2セットは第1ゲームでいきなりブレークを果たした大坂は、以降も正確なリターンを軸にポイントを量産。第5、9ゲームでもカサキナのサービスを破り、1時間20分で試合を締めくくった。
大坂がクレーコートのツアー大会本戦で3連勝を飾るのは2019年の「マドリード・オープン」以来約5年ぶりのこと。この時はベスト8まで勝ち進んでいる。今回の試合で計30本のウィナーと3本のサービスエースを奪うなど、持ち味を存分に発揮して難敵カサキナを撃破した26歳の元女王は、苦手なクレーで快進撃が続いていることについて、謙虚にこうコメントした。

「ここで3試合勝てたことは非常にポジティブでうれしいこと。とはいえ私はそれを当然のことだとは全く思っていない。今見ている選手たちからはとても刺激を受けている。私は今のトップ選手がいる場所に戻れることを心から願っているから、できることは何でもやるつもりでいるわ。自分の居場所だと思っている場所に、手探りながらも戻れたら…と思っている感じかな」

大坂の4回戦の相手は、今年1月の全豪オープンで自身初の四大大会決勝進出を果たした21歳のジェン・チンウェン(中国/7位)。大坂にとっては厳しい戦いとなりそうだが、この調子のままぜひとも次戦も突破してもらいたいものだ。

文●中村光佑

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