マカオ、税関検査忌避の中国人が着衣の下に大量の中古スマホ隠して密輸図る

5月9日に発見された大量の中古スマートフォンを着衣の下に隠して密輸出を図った事案(写真:澳門海關)

 澳門海關(マカオ税関)は5月12日、各イミグレーション施設で税関検査の強化を図り、違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)に対して厳格な取り締まりを行う中、同月9日に税関検査を忌避した人物が着衣の下に隠す手口で密輸を企図した事案を1件を摘発したと発表。

 税関によれば、摘発があったのはマカオ半島北部に所在する青茂イミグレーション施設の出境口にある税関検査場で、9日未明、税関職員が検査ゾーンを通過する旅客に対するランダムチェックを実施していた際、疑わしい物品を所持しているとみられる不審な男1人を発見し、呼び止めたところ、男が身を翻して反対方向へ逃走を図ったため、追跡して取り押さえたとのこと。

 その後、金属探知ゲートとX線検査システムを使って詳細検査を行ったところ、男が輸出に必要な書類のない中古スマートフォン44台を身体に巻き付けて隠し持っており、密輸を企図していたことが明らかとなったという。

5月9日に発見された大量の中古スマートフォンを着衣の下に隠して密輸出を図った事案(写真:澳門海關)

 男は44歳の中国人(中国本土居民)で、税関の調べに対し、スマートフォンはマカオ半島北部の關閘エリアにある店舗で入手し、報酬を得て持ち出しを図ったなどと説明。税関は男を対外貿易法違反で起訴、また税関検査を忌避した行為についても違例罪で検察院送致済みとした。

 2023年初頭のウィズコロナ転換による水際措置の緩和を受けて、マカオと中国本土、香港との相互往来が容易になって以降、運び屋が絡む密輸入、密輸出事案が摘発されるケースが増えており、着衣の下に隠す手口では中古スマートフォンやコスメティック製品の密輸が特に目立つ。

 税関では本件を受け、市民に対して出入境における携行品の出入りに関する法令の遵守、また報酬を目当てに物品を隠したり偽装したりして運び屋行為へ従事しないよう累次の呼びかけを行うとともに、今後も継続して水際における各種取り締まりを強化して臨む考えを示した。

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