自身のミスからネットを揺らされるも、VARで取り消しに。湘南DF畑大雅が“気持ちを入れ直して”好プレーを継続できた要因「背中を叩かれたりしたのも効いた」

5月11日、湘南ベルマーレはJ1第13節でFC町田ゼルビアと対戦し、0-0で引き分けた。

試合を通して特に存在感を放ったのが、3-5-2の左ウイングバックで先発した畑大雅だ。4分の池田昌生の決定機をはじめ、持ち前の突破力を活かして幾度もチャンスを演出すれば、守備面では対峙したナ・サンホにほとんど仕事をさせず。前半は攻守に隙のない、見事な出来だったと言える。

しかし後半、一瞬の気の緩みからあわや失点というシーンを招く。56分、5-3-2のブロックを敷いて守る際、相手の動きに釣られて少し前に出たところを平河悠に背後を取られ、クロスから中央のオ・セフンにネットを揺らされる。しかし、VAR介入の結果、ノーゴールの判定となった。

畑は自らが絡んでのピンチを、次のように振り返る。

「失点をしかけた場面は“やらかしたな”と。気持ちは入っていたんですけど、一瞬の油断が出てしまった。何とか助かりました。VAR、ありがたいです(笑)」

【厳選ショット】オ・セフンのゴールで先制するも得点取り消し…スコアレスドローで勝ち点を分け合う|J1第13節 湘南 0-0 町田
注目すべきは、ミスをしたあとの立ち直りだ。畑は落ち込んだり、安定感を欠くことなく、すぐに前半と同様のハイパフォーマンスを披露。終盤には、途中出場してきた相手FWのエリキやミッチェル・デュークをフィジカルで完封し、チームの今季初クリーンシートに寄与した。

畑は、ミスを引きずらなかった要因を明かす。

「自分で切り替えられた部分もあるけど、ミンテさんや阿部(浩之)ちゃんに声をかけてもらったり、背中を叩かれたりしたのも効いたのかなと。チームとして、セットプレーの時や、改めて集中しなければいけない場面で、声だけでなく背中を叩くのが習慣化しているんです。また、阿部ちゃんからは、失点になりかけたあとにアドバイスももらえた。非常にありがたいですし、そういった言葉を聞いて、さらに成長したいです」

第10節の北海道コンサドーレ札幌戦でプロ初ゴールを決めて以降、好調を維持する畑は、次節・柏レイソル戦でも輝きを放てるか。もし、対峙する相手の右SBが関根大輝なら、今夏のパリ五輪を戦うU-23日本代表の同ポジションのライバルとの直接対決となる。

「そういう意味でも、負けられない」

畑にとって次節の柏戦は、“リーグ戦の1試合”以上の意味を持つ、重要なゲームになるかもしれない。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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