ラスベガスGPの中止を求める請願書に開催地域の事業者らが署名。F1開催による多額の損失を訴える

 2024年11月23日に2度目の開催が予定されているF1ラスベガスGPの前に、新たな法的課題が生じた。アメリカ・ネバダ州ラスベガス市のかなりの数の主要企業や事業者が、ラスベガスGPの中止を求める請願書に署名したのだ。

 彼らの主張は、2023年のイベントによって彼らが損失を被ったこと、そしてグランプリ前後の数週間に損失はさらに大きくなることを根拠としている。これはサーキットの建設とその後の解体のために、街の一部においてクルマと人の行き来が事実上禁止されることによるものだ。

 イベントに先立ってギャンブルの中心地の一部道路が麻痺状態となったせいで、大幅な損失が生じたと彼らは訴えている。『Fox 5 Vegas』ニュースチャンネルによると、この請願を始めたのはフラミンゴ・ロードとコバル・レーンの交差点周辺を拠点とする7人のビジネスオーナーで、彼らは一連の混乱のために3000万ドル(約47億円)が失われたと述べている。

 この請願書は、2023年のレースとその影響に対する不満を表明するよう地域住民に求めており、2024年秋にグランプリの特別使用許可が下りる前に、昨年のレースに関連する問題の完全な見直しを求めている。

『ハイネケン・シルバー・ラスベガス・グランプリ』はアメリカ・ネバダ州のラスベガス・ストリップ・サーキットにて、2023年11月17~19日に初開催された

 この地域のレストランオーナーであるジーノ・フェラーリは、『Fox 5 Vegas』に対し「全体の状況を見るまで、新たな許可証を発行するべきではない」と語った。同氏は、郡の首長らとグランプリ開催で影響を受けた住民との話し合いを求める事業者グループを率いている。

 フェラーリ氏は次のように語った。「グランプリ主催者は、我々が言わざるを得ないことに耳を傾けることができるはずだ。つまり、ストリップ地域の業界で働く人々、仕事に行くのに何時間もかかった人々が言わずにはいられないことをだ」

 また、グランプリ前後の数週間にアクセスが制限されたために、破産の憂き目にあった事業者がいるという報告もある。それはマギー・アマーが経営するレストランのケースだ。彼女はF1イベントのために、テックス・メックスのレストランを閉めることを余儀なくされたと主張している。

「F1レース中に、他の誰かが私たちのように苦しむのを見たくありません。私たちは収入の減少に耐えられず、閉店せざるを得ませんでした」とアマー氏。

「F1は説明責任を負わなければなりません。ラスベガスのストリップ、仕事をする人々、訪問者、企業に影響を与えないための対策が何も取られなければ、2024年のレースは同じ結果になるでしょう」

 これらの主張に対して現在までにースプロモーターからの正式な回答はない。しかし今月初め、ラスベガスGPのゼネラルマネージャーであるレネー・ウィルムは、混乱がラスベガスの住民の日常生活に影響を与えたことを認め、今年のレースは地元の人々にとって異なる経験となることを約束した。しかし一方でラスベガスGPは、彼らの統計によるとラスベガス・バレーに12億ドル(約1869億円)をもたらしたことも指摘した。

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