2・3月MVP 飛躍の時  FW・平河悠選手 町田市

注目を集める平河選手

台風の目

今シーズンのJ1における台風の目になっているFC町田ゼルビア。ホームの町田市野津田を舞台に行われた開幕戦こそ、引き分けたものの、次戦以降は名古屋グランパス、鹿島アントラーズなどの名門クラブを撃破。4連勝し首位に立った。

その後は首位から陥落したものの連敗することなく、4月30日現在、今だ首位争いのなかにいる。

その原動力になっているのが、攻撃の軸となっている平河悠選手だ。昨シーズンのJ2優勝にも貢献し、今シーズンは背番号を37から、「主力ナンバー」の7番へ変更。期待通りの活躍をみせている。3月末に行われたサガン鳥栖戦ではゼルビアがあげた3得点全てに関わる3アシスト。チームの中心選手であることを示し、J1の2・3月月間MVPに選出された。武器はスピード溢れるプレー。サイドから駆け上がり、アシストやゴールを目指す力はリーグ屈指のもの。得点をあげることを第一とするが、サガン戦のように味方選手を生かす能力にも長け、「もうすぐ日本代表に呼ばれるのでは」と期待を集める。

無名選手

実績の無いところから駆け上がってきた選手でもある。佐賀県の県立高校時代は無名選手だったが、山梨学院大学へ進学後、スピードあるプレーに磨きがかかり、頭角を現すと3年時に特別指定選手としてゼルビアに。Jリーグ初年度となった2021年は1試合の出場にとどまったものの、プロの練習にもまれ、いつしかチームの主力選手として名前があがるように。今年はパリ五輪を目指す23歳以下日本代表に選出され、先ごろまで行われていたアジア大会では主力として活躍した。

期待

一方、平河選手が23歳以下日本代表としてプレーする間、エースを欠いたゼルビアは2勝2敗(第10節時点)と勝ち数を伸ばせなかった。ファンから復帰を望む声が聞かれることになったが、5月19日に行われる同じ東京を拠点とするライバルのヴェルディとの東京クラシックではホームの野津田を走りまわる姿が期待されるところだ。

今シーズンの抱負を「飛躍」とした平河選手。今、注目の選手としてその一挙手一投足にスタジアムの視線が注がれる。

© 株式会社タウンニュース社