トラバサミにかかった猫を保護 抜けきれない人間への怖さ シェルターで心の傷を癒しています

時間をかけて心を開いてくれるのを待つ=winwin321321さん提供

トラバサミにかかった猫を格闘して捕獲

人は苦手なの!=winwin321321さん提供

寿生(じゅうじゅう)くんは、2023年2月15日夜、大阪府のAさんの家のガレージでトラバサミにかかり、トラバサミをつけたまま現れた。なんとかしなければならない、そう思ったAさんは寿生くんを手づかみで捕まえようとした。

このトラバサミに挟まれていた=winwin321321さん提供

格闘の末、噛まれて引っ掻かれながらも、寿生くんを夜間救急病院へ搬送し、すぐに手術してもらったという。寿生くんのけがは深く、前脚を断脚することになった。10万円を超える手術費用はAさんが出したそうだ。

Aさんは、寿生くんに噛まれて引っ掻かれたため入院することになり、そんな中、保護活動をしているwinさんにインスタのダイレクトメッセージが届いた。

「その後、Aさん宅では飼育できないということだったので、我が家のシェルターに入りました。大阪とはいうものの奈良県寄りの山手が現場で、昔トラバサミを仕掛けてそのままになっていたそうです。」

3本脚でもルンルンな毎日

可愛い顔も見せてくれる=winwin321321さん提供

寿生くんの件があったため、Aさんは市役所や動物愛護センターなどに問い合わせをして、トラバサミは危険だと話をしてくれたという。

winさんはインスタのフォロワーさんに名前の募集をかけ、「寿生(じゅうじゅう)くん」と名付けた。

「どうしても人間への怖さが抜け切れず、シャーと威嚇をしてしまう。人馴れが進んでいませんが元気にシェルターで過ごしてます。前脚を失くすと、歩けるようになるまで少し時間がかかるのですが、トラバサミにかかって1カ月ほど放浪していたので、3本脚には慣れていました。感染症にもならず元気に過ごしています」

2007年4月16日より改正鳥獣保護法が施行され、狩猟でのトラバサミ使用は禁止されたが、有害鳥獣の捕獲にはソフトトラバサミの使用を許可している市町村もある。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

© まいどなニュース