鹿島ポポヴィッチ監督、3点差守り切れず「私の責任」 “交代策”不発に嘆き節「うまく機能しなかった」

鹿島を率いるランコ・ポポヴィッチ監督【写真:徳原隆元】

悪夢の3-3のドロー

鹿島アントラーズは5月12日、J1リーグ第13節で東京ヴェルディと対戦し、3-3で引き分けた。3点のリードを奪っていたにもかかわらず、終盤に追い付かれて悔しい勝ち点1。試合後、ランコ・ポポヴィッチ監督は「私の責任」と前置きしつつも「交代選手がうまく機能しなかった」と敗因について言及した。

Jリーグ開幕年の1993年にはチャンピオンシップで対戦したオリジナル10の両クラブだが、J1での対戦は2008年以来16年ぶり。東京Vは、鹿島からレンタル移籍中のFW染野唯月、DF林尚輝の2選手がこの試合に出場することができない。

試合は前半3分、鹿島のコーナーキック(CK)の際にハンドがあったとしてビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)チェックで試合が止まる。オンフィールドレビューを行った荒木友輔主審はハンドを取り、鹿島にPKが与えられた。このPKをFW鈴木優磨がGKの逆に決めて、鹿島が早い時間帯に先制した。

さらに前半8分にも、FW師岡柊生のスルーパスを受けたMF名古新太郎が左足でゴールを決め、鹿島がリードを一気に2点に広げた。2点リードで前半を折り返した鹿島は、後半も早い時間帯に追加点を挙げる。後半5分、名古のCKからDF植田直通がヘディングでゴールネットを揺らし、3点目を挙げた。

だが、ここから東京Vの反撃を浴びる。後半24分、高い位置でボールを奪い返し、ペナルティーエリア外から途中出場したMF齋藤功佑が左足でゴールを決め、東京Vが1点を返した。その後も東京Vは2点目を目指して攻め、後半35分には左サイドでMFチアゴ・アウベスがボールを運ぶ。つぶれたところを拾ったところから縦パスが左サイドのDF翁長聖に入る。翁長の折り返しにMF山見大登が詰めたが、合わせられない。しかし流れたボールをFW木村勇大が押し込み、3試合連続となるゴールを決め、1点差に詰め寄った。

さらに後半アディショナルタイム、セットプレーからゴール前の混戦を最後はFW見木友哉が押し込んで劇的な幕切れ。鹿島にとっては悪夢の引き分けとなった。

試合後、ポポヴィッチ監督は「入りも非常に良かったし、我々が3点決めてリードしてから追い付かれた試合になってしまった。私の交代を決めた選手がうまく機能しなかったところもあるので、私の責任でもあるが、連戦も控えていることもあるし、出ている選手の足が止まってきたこともあったので交代を決断した」と、ハーフタイムにMF仲間隼人、同18分には好調のDF濃野公人らをベンチに下げた交代策について言及。「入った選手が前節と同じように効果的なプレーができなかった。強度が出せなかったというところは繰り返していることなので、そこは改善していなかければいけないし、そこが出せなかったことでこのような結果につながっている」と嘆いた。(FOOTBALL ZONE編集部)

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