国宝を織った姫しのぶ掛け軸完成 奈良、創建の尼寺で希望者に公開

奈良県宇陀市の尼寺・青蓮寺で掛け軸を紹介する堀切康洋住職=10日

 奈良県葛城市の当麻寺所蔵の国宝「綴織当麻曼荼羅」を織ったとされる中将姫を題材にした絵の掛け軸が完成し、中将姫が開いた同県宇陀市の尼寺・青蓮寺に12日までにかけられた。希望する参拝者に公開される。

 中将姫は藤原鎌足の子孫。継母が疎み殺害を命じたが、特命を受けた武士夫婦がひそかに山中で育てた。中将姫は後に出家し、青蓮寺を建てた。

 堀切康洋住職(75)が姫の1250回忌記念のため、親交のある画家向笠友子さん(73)=静岡県富士宮市在住=に「子どもが見ても怖くない絵に」と要望を伝え描いてもらった。

 寺では毎月第2日曜と14日に中将姫が唱えていた「称讃浄土経」を読む催しを実施。誰でも参加できる。

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