「クソ野郎」「誰がお前を呼んだ」学者がムスリム女性に暴言・ハラスメント、動画が拡散

米アリゾナ州立大学の研究員で教鞭をとる男性が、イスラム教徒の女性に暴言を吐きハラスメント行為にでる動画が拡散され、批判を受けている。

5月5日、イスラエル軍によるガザ侵攻をめぐり、キャンパス近くで親イスラエル派の集会が行われていた。同大学School of Civic and Economic Thought and Leadership(市民経済思想リーダーシップ学部)所属の研究員、ジョナサン・ユーデルマンも身元不明の男性と一緒に参加していた。

2人がヒジャブ姿の女性と言い争う様子が撮影され、SNSに投稿された。

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衝突の経緯は不明だが、動画では2人が「誰がお前をここに呼んだ?」「ジハードに戻れ」と女性に暴言を吐いている。立ち去ろうとする女性に、ユーデルマンが詰め寄っている様子も確認できる。

「やめて。あなたは私の宗教的境界線を軽視している」と女性が言うと、ユーデルマンは「そうか? 君は私の人間性を軽視している。このクソ野郎」と返した。

別の女性が「ヘイトクライムだ!」と叫ぶと、ユーデルマンと同伴していた男性が「何か問題あるか?」と携帯を片手に撮影者の元に近づく。

動画の拡散を受け、大学は調査のためユーデルマンを休職処分とした。5月9日に更新されたCNN の報道によると、「彼が再び教鞭をとることはない」と理事長は語っている。

大学は「アリゾナ州立大学は、言論・表現を保護します。しかし、脅迫的・暴力的な行為は容認しません。 平和的な抗議は歓迎しますが、暴力的・脅迫的な行為があった場合、すべて対処します」と発表 している。

非営利組織「アメリカ・イスラム関係評議会(CAIR)」アリゾナ支部の局長は、声明 で次のように述べた。

「悲しいことに、今回カメラに収められた嫌悪的で危険な行動は、孤立した事例ではありません」

「より広範なイスラム恐怖症と宗教的不寛容のひとつの側面です。このような行為は差別的なだけでなく、教育者が教室の内外で守るべき、学問的誠実さと多様性の尊重という基本原則に違反しています」

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ガザ侵攻への米政府の対応をめぐり、全米の大学で学生による抗議活動が拡大している。

コロンビア大学では4月、学生らがキャンパス内にテントで野営場所を設営し、新パレスチナ派の大規模なデモが行われた。警察が出動し、100人以上を逮捕 する事態となった。

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