味の素AGF、給茶機に新風 「ドリンクを提供する機械から働く人々の物語が生まれる機会へ」を掲げ領域拡大

味の素AGFはオフィス向け給茶機に新風を吹き込む。

かつてお茶が中心だった提供ドリンクメニューの領域を拡大。2014年に高品質のお茶、19年に味噌汁、22年にカフェオレとミルクティー、23年にココアとコーンスープを発売開始。24年には、エナジードリンク、オレンジジュースなどを新たに取り揃える。

コロナ禍での激減から回復傾向にあるオフィス需要に勝算を見込む。社員や従業員の働きやすい環境に貢献するものとして、給茶機という名称を改めドリンクディスペンサーの新名称で協力オペレーター会社とともに提案している。

味の素AGFは給茶機という名称を改めドリンクディスペンサーの新名称で協力オペレーター会社とともに提案している。

掲げるテーマは“ドリンクを提供する機械から働く人々の物語が生まれる機会へ”。

4月16日取材に応じた藤巻万之ソリューションビジネス部ノンコーヒー開発グループグループ長は「回復傾向にあるものの、コロナ禍で出社機会が減り、離職者も増えている中で、社員の会社へのエンゲージメント(愛着・思い入れ)や満足度を上げていくことを重視する会社が増えている。AGFは新しい働き方を応援するため、豊富なドリンクメニューを取り揃えている」と説明する。

ドリンクメニューで大きく前進したのは22年。ドリンクディスペンサー初のミルクメニューとなるカフェオレとミルクティーを新発売した。

一般的にドリンクディスペンサーでのミルクメニューの提供は相当な技術力を要するという。
「パウダー量を減らさないとパウダーが溶けきれず、かといって、量を減らしてしまうと薄い味わいになる」と指摘する。

AGFのミルクメニューは家庭用とは少し異なる製法でこれらの課題をクリア。販売状況は上々で「ミルクメニューはお茶よりも高単価だが、福利厚生に寄与するものとして非常に好調に推移している」と語る。

ココアとともに23年に発売開始した「クノール」のコーンスープもドリンクディスペンサー初の展開となる。

「クノール」のコーンスープ

「スープはかねてから高速道路SAなどの設置されるカップ式自販機に導入されているが、オペレーター様らのご要望を受け、味噌汁、コンソメオニオンに次ぐライトミール(小腹満たし)メニューとして開発した。ライトミールはお昼に、パンやお弁当などと合わせやすく社員・従業員に喜ばれるメニューだと考えている」。

今年発売開始した新ドリンクメニューのエナジードリンクとオレンジは市場のトレンドを受けて開発した。

この中で、エナジードリンクの開発については「炭酸感を出すためにAGF独自の技術でシュワシュワ感が得られるように仕立てた。シュワシュワ感の打ち出しと溶けやすさを両立に腐心した」と振り返る。

左から新ドリンクメニューのオレンジとエナジードリンク

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