実は日本に2.7%いる富裕層。元銀行員が見た共通点とは?ハイブランドよりユニクロを好むのか

ピラミッド図で丸わかり「純金融資産保有額別の世帯数と資産規模の推計結果」

GW中、外国為替市場の円相場が一時1ドル=160円台を突破したことが大きく話題になりました。

これほど円安が進行すると、「海外旅行は富裕層しか行けないな」と感じる人もいるかもしれません。

では、日本国内には「富裕層」と呼ばれる人がどれくらいいるのでしょうか。

本記事では、日本における富裕層の世帯数や全世帯に占める割合について解説します。

後半では、富裕層に見られる共通点についても紹介しますので、富裕層の価値観を知る参考にしてみてください。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

1億円以上の資産を持つ富裕層は全体の2.7%

野村総合研究所は、2005年から日本における純金融資産保有額別の世帯数と資産規模の推計結果を公表しています。

保有資産の金額別による世帯数は下記の通りです。

  • 超富裕層…9万世帯
  • 富裕層…139万5000世帯
  • 準富裕層…325万4000世帯
  • アッパーマス層…726万3000世帯
  • マス層…4213万2000世帯
【写真1枚目/全3枚】純金融資産保有額別の世帯数と資産規模の推計結果。2枚目以降の写真で富裕層の特徴を解説

富裕層と超富裕層の合計は148万5000世帯で、全体の約2.7%となっています。

最も多いマス層は4213万2000世帯で全体の約77.8%であることと比較すると、富裕層はごく一部の限られた存在であることが分かります。

この結果を見ると、「富裕層の暮らしは想像がつかない」、「自分には無縁だ」と感じる人もいるかもしれません。

豊かな資産を持って暮らしている人は、どのような価値観を持っているのでしょうか。

次の章では、LUXURY CARDが行った調査結果や、元銀行員の筆者の体験談を交えながら、富裕層に見られる特徴をくわしく紹介していきましょう。

富裕層の共通点(1)運動を習慣にしている

富裕層向けのクレジットカードを発行しているLUXURY CARDでは、カード会員に対してライフスタイルや価値観についてたずねる調査を行いました。

健康のために普段からしていること

「健康のために普段からしていること」では、睡眠や健康、食生活への意識が高いなか、ジョギングなどの運動を日頃から取り入れている人も多く見られます。

運動は健康な体づくりに役立つだけでなく、気持ちをリフレッシュさせたり、ストレスを解消したりする効果もあります。

「体は資本」と考えると、健康に気を使うことは投資ともいえるのかもしれません。

富裕層の共通点(2)ファッションは価格帯にとらわれない

同調査では、よく身につける洋服のブランドに関する調査も行われました。

よく身につける洋服のブランド

最も多い回答は「ユニクロ」で、全体の42.1%がよく利用している結果となりました。

富裕層と聞くと、ハイブランドのものを多く身につけているイメージを思い浮かべがちですが、実際は自分に合うものや機能性の高いファッションを好む人が多いようです。

富裕層の共通点(3)人とのつながりを大切にしている

筆者は元銀行員として富裕層の方に接する機会が多くありましたが、どの富裕層も「人とのつながりを大切にする」ということが共通点として見られました。

たとえば、「学生のときの仲間と定期的に集まっている」、「家族仲が良く、頻繁に家族旅行に行く」といった例などです。

経営者の中には、「毎年社員を海外旅行に連れて行く」という方もいるほどでした。

人とのつながりは、ビジネスの成長にも役立つポイントです。

どこでどのような縁が役立つか分からないからこそ、「周りの人とのつながりを大切にしよう」という価値観を重視する人が多いのかもしれません。

富裕層の共通点(4)人のためにお金を使うことを厭わない

富裕層と聞くと「好きなようにお金を使う」というイメージがあるかもしれませんが、筆者が出会った富裕層の方々は、どちらかというと出費にはシビアな印象がありました。

しかし、「人のためにお金を使う」ということに関しては糸目をつけない傾向にあります。

たとえば、「家族旅行で一度に大金を使う」、「仲間との特別な体験にまとまったお金を使う」といった例です。

お金の使い方は人それぞれですが、富裕層は他人のために使うことに幸福を感じる人が多いといえます。

富裕層は「自分がどうしたいか」を重視している

富裕層は「何でも好きなものにお金を使う」、「ハイブランドばかりを好む」といった印象がありますが、実際のところは人のためにお金を使ったり、ユニクロを好んで着たりする人が多い傾向にあります。

これは、「他人にどう見られたいか」ということよりも「自分がどうしたいか」ということを重視している表れでもあります。

お金の使い方に悩んだら、富裕層の価値観や考え方を参考にしてみるのもよいかもしれません。

参考資料

  • 野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計」
  • Black Card Ⅰ 株式会社「【ラグジュアリーカード初の会員ライフスタイル調査】全体の6割が年収アップの見込み、直近1年で15億円の不動産購入も」

© 株式会社ナビゲータープラットフォーム