実家に帰省すると、高齢の母がタンス預金「500万円」していることが判明!「税金」が心配なので、銀行に預けるよう説得すべきですよね…?

タンス預金を持っていても税金上の問題はない

結論からいうと、タンス預金をいくら持っていても税金がかかることはありません。お金の持ち方は個人の自由ですので、銀行に預けても、株を買っても、現金のままタンス預金として自宅に保管しても大丈夫です。

タンス預金は防犯面などで注意が必要

タンス預金はいくら自宅に保管していても税金上の問題はないとはいえ、防犯面などでは注意が必要です。多額の現金を家に保管していることを第三者に知られると、盗難に遭ったり、詐欺の対象にされてしまったりするリスクがあるためです。

また、盗難対策などでお金を複数箇所に保管する場合、保管場所が分からなくなってしまうかもしれません。地震や火事が起きた際には、無くなってしまうことも考えられます。

タンス預金を相続する際には相続財産に含める必要がある

タンス預金を持っていても税金上の問題になることはありませんが、気をつけたいのは相続が発生した場合です。相続税は、相続や遺贈によって取得した財産の価額が基礎控除額を超える場合に課税されます。

そして、この取得した財産の価額には、「預金」や「株」はもちろんのこと、現金としての「タンス預金」も含まれます。そのため、もしも高齢の母親に万一のことが起きた場合、タンス預金で持っていたお金も相続財産の価額に加えなければなりません。

「タンス預金はバレないだろう」という考えで、タンス預金分を相続財産として正しく申告しなかった場合、脱税になります。そして、相続税の未納分の税金支払いのみならず、延滞税や加算税が課されてしまうかもしれません。

タンス預金を持っていても大丈夫ですが、相続が発生した際には相続財産に含まれるという点は認識しておきましょう。

年間110万円までの生前贈与なら税金はかからない

高齢の母親がタンス預金を持っているとしても、持っている間は特に税金はかかりません。しかし、相続となった際には、相続財産として含める必要があります。相続税にも基礎控除はありますが、この金額を超えてしまうと相続税の納税義務が発生します。

相続税を少しでも減らしたい、もしくは相続財産を基礎控除以内にしたい場合、検討したいのが生前贈与です。親族間で金銭の贈与があった場合、金額の規模によって贈与税が課税されますが、贈与税には毎年110万円までの基礎控除があります。

相続税対策として、この贈与税の110万円の非課税枠の活用を検討しても良いでしょう。

まとめ

タンス預金をしているだけでは脱税ではありませんが、手元に大金を置いておくことにはリスクがあります。昨今は大手銀行の預金の金利も上昇しており、一時期よりは利息も付きますので、銀行に預金することを検討してもよいでしょう。

また、タンス預金も相続するとなったら相続税の対象ですが、年間110万円までの生前贈与なら贈与税はかかりません。本記事を参考に、タンス預金をどう管理するのかを考えておきましょう。

出典

国税庁 財産を相続したとき
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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