【夏場所】大の里 初日の照ノ富士撃破に笑顔「今日は母の日で、家族が見に来ていたので」

照ノ富士(左)をすくい投げで撃破した大の里

大相撲夏場所初日(12日、東京・両国国技館)、新小結大の里(23=二所ノ関)が結びで横綱照ノ富士(32=伊勢ヶ浜)をすくい投げで撃破し、大関、横綱が全員敗れる〝波乱の初日〟を締めくくった。

新入幕の初場所では、横綱と初対戦で敗れていた。リベンジに成功した大の里は、取組後に「西小結が(初日に横綱と)当たると聞いていたので、巡業中から予想はついていた。初場所はめちゃくちゃに当たって、走ることだけを考えていた。それだけじゃダメだと自分なりに考えて、相撲を取っている」と納得の表情を浮かべた。

ちょうど1年前の夏場所で、2年連続アマチュア横綱の実績を引っさげて幕下10枚目格付け出しでデビューしたが、初日の1番相撲で黒星発進。その後は本来の実力を発揮し始め、ここまで全ての場所で勝ち越してきた。「デビューした時は初日負けて、どうなるかと思っていた。1年後に結びで取るとは思っていなかった」と当時を振り返った。

この日は石川県に住む両親と妹が観戦。大の里は「今日は母の日で、家族が見に来ていたので勝ててうれしい。今日の勝ちを目に焼き付けてもらって、気を付けて帰ってほしい」と親孝行を果たして笑みを浮かべた。

2日目は元大関の幕内高安(34=田子ノ浦)との一番。場所前の春巡業中では、高安とのぶつかり稽古を志願して積極的に胸を借りた。大の里は「明日の相手も強い。今日は勝てて良かったけど、15日間長いので。明日からまた頑張ります」と気を引き締めた。

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