今季初の3戦連続2桁安打 貧打にあえぐ西武にようやく浮上の兆し 途中出場の21歳「思い切った上で失敗して…」と覚悟の殊勲弾

お立ち台でポーズを決める西武・長谷川(左)と今井(撮影・冨永豊)

◆西武6―2楽天(12日、ベルーナドーム)

若獅子に待望の1発が出た。1点リードの4回2死一、二塁。直前の守備から途中出場した西武の長谷川が岸の甘いカーブを左翼スタンドに放り込んだ。値千金の1号3ランで2連勝を引き寄せ「一振りで決められて良かった」と目を輝かせた。

走攻守兼ね備えた4年目の21歳。層の薄い外野のスタメン候補として期待されながら打撃不振で2軍からスタートし、4月中旬に昇格してからも打率1割台前半をさまよった。苦悩しながら、タイミングを取り始める時手の位置を模索。この日の試合前練習にようやく好感触をつかんだ。

「3番右翼」で先発した平沼が3回の走塁時に足をつったことで急きょ手にしたチャンス。「思い切った上で失敗し、ファームに落とされるならいい」と腹をくくっての一発に、松井監督は「長谷川にとっても大きな1本」とうなずいた。

7回にも岸から左翼線二塁打を放ち、今季2度目のマルチ安打。昨年のドラフト1位蛭間も2番手桜井から6点目の左前適時打で続き、今季初の1試合3安打とした。若手の躍動もあり、今季初の3戦連続2桁安打。貧打にあえいできた西武打線がようやく目覚め始めた。(末継智章)

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