コロナとの戦いを後世に 愛川町が記録誌を刊行 厚木市・愛川町・清川村

記録誌の表紙

愛川町はこのほど、世界的に混乱を招いた新型コロナウイルス感染症に係る町の取組をまとめた「コロナVS愛川町〜感染症と戦った、愛川町の1208日〜」を作成した。今後、同様の災害に見舞われた際の参考にするための記録誌としてまとめた。

記録誌は、多くの人に見てもらおうとWEB版として作成した。ウイルスが日本に上陸した2020年1月から、日常を取り戻した23年5月までの流れを写真を交えて紹介している。

20年、小野澤豊町長を本部長とした「新型コロナウイルス感染症愛川町対策本部」の前身となる「新型コロナウイルス対策連絡会」を立ち上げた。連絡会では「3密の回避、消毒の徹底」の具体的方策の検討が開始された。

3月2日から町立小中学校全校の休校を決定。当初は25日までだったが、感染拡大を受けて5月31日まで92日間にも及んだ。町は、消毒のために次亜塩素酸水生成器を購入し生成水の町民配布を始めるなど、対策については手探り状態だったことがうかがえる。

日常生活の変化も伝えている。人々は感染予防のためのマスクを着用。町役場はもちろん、公共施設、店舗など人が集まる場所には検温機や消毒薬が常設された。また、時差出勤やテレワークの奨励、午後8時以降の飲食店の閉店要請など、行動制限を余儀なくされたことを伝えている。町はウイルス感染症対策と同時に、様々な町民の生活事業を支える支援を始めた。

ワクチン接種が始まった21年。集団接種のために往復バスを運行するなど、迅速化をはかった。22年に入ると感染者数は変わらず多い中、日常生活を取り戻す動きも出てきた。3年ぶりに「ふるさとまつり」「宮ヶ瀬ダムナイト放流」などの恒例イベントが行われ町に活気が戻ってきた。

そのほか、年ごとにまとめられた町及び神奈川県の感染者の推移、町の事業の実施状況、町対策本部の審議事項、ワクチン接種に関するスケジュールなどもまとめられている。町の政策秘書課秘書広報班の担当者は「振り返ることで、今後同様な事案が発生しても慌てず冷静に対応ができれば」と話した。この記録誌は町のホームページから見ることができる。

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