『ACMA:GAME アクマゲーム』“使命感”に駆られる照朝 古川琴音はSF作品との相性抜群

崩心(小澤征悦)率いる謎の組織「グングニル」主催の“アクマゲームトーナメント”に、どういうわけか照朝(間宮祥太朗)、初(田中樹)のみならず、悠季(古川琴音)まで召喚される『ACMA:GAME アクマゲーム』(日本テレビ系)第6話。

しかも悠季の対戦相手は潜夜(竜星涼)と、一度照朝と手を組んだ相手をアサインしてくる「グングニル」のこざかしさが際立つ。

ゲームの内容は「金の銃と銀の銃~Gold Gun & Silver Gun~」。金庫の中にあるお金を相手が強奪する気でいるかどうか、互いの心の内を探り合う心理ゲームだ。

悠季役を演じる古川琴音もまた、本作のようなSF作品との相性が抜群だ。『岸辺露伴は動かない』(NHK総合)で、主人公の露伴(高橋一生)をあの手この手で刺激しようとするイブ役を好演。『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』(TBS系)では、自分本位でわがまま放題の乗客役を熱演した。どちらかというと周囲を惑わせる側を演じることの方が多かったように思える古川が、本作ではまた異なる表情を見せている。ピュアに生成AI「おろち」をかわいがりながらプログラミングし育てる悠季。その面倒見の良さや、親友と家族想いな一面を、自然体で見せてくれている。彼女からは照朝のことを尊敬し慕っている素直さもよく伝わってくる。

そんな邪気がなく一生懸命な悠季だからこそ、彼女の家族が人質に取られたと聞けば、自身の危険を顧みず救い出そうと照朝も突き動かされる。このトーナメント会場は自爆型ドローンに監視された無人島にあり、外部との連絡が一切断たれている状況ながらも、どこか1箇所だけ外部の電波が入る「電波塔」があるに違いないと睨む。1回戦で照朝の対戦相手だったアイドル・紫(嵐莉菜)は、電波塔を探す照朝の後を追うが、どうやら彼に好意があるようだ。悠季のために危険を冒す彼への嫉妬が隠し切れない。

電波塔の入り口にも時限爆弾が仕掛けられており、ここでも照朝は否応なしに崩心らによるゲームへの参加を余儀なくされた。無事時限爆弾を解除できた照朝は、おろちによる解析で悠季の家族の居場所を突き止めた。かつての対戦相手の総合格闘家・兵頭(栄信)に対し真っ当な更生を願い、それを応援する照朝の懐の深さが彼を味方に引き入れることになり、悠季の家族を救い出すことにつながった。

さて、結局アクマゲーム初参加の悠季は、最終的に自身の“悪魔のチカラ”の裏を嗅がれて潜夜に負けてしまうが、どうやら「グングニル」が彼女をゲームに参加させたのは、生成AI「おろち」の開発能力が狙いのようだ。

「ガイド様」の指示により悪魔の鍵を使って汚れた今の世界を再生し、新しい世界地図の創造を掲げるグングニルは、50本の悪魔の鍵を既に所有しているらしく、その“大義”のために悠季のプログラミング能力を利用しようとしているのだろうか。

紫から父・清司(吉川晃司)の復讐のためにどうしてここまで危険を冒すのか聞かれた照朝は、「それもあるけどそれだけのためじゃない」と答えていた。悠季やその家族を助け出すのはもちろんのこと、人が変わってしまったかのような初こそを救い出さなければならないという使命感に駆られているのだろう。

次回はいよいよ照朝と初が対戦することになるチーム戦が展開される。どんな駆け引きが観られるのだろうか。

(文=佳香(かこ))

© 株式会社blueprint