【日本ハム】天敵ロッテに8勝1敗の快進撃 球団内では新庄監督の〝怨念説〟も

日本ハムがロッテ戦に強くなったのは新庄監督の怨念?

じくじたる思いが結果に表れているようだ。日本ハムが今季、ロッテに対し異様なまでの強さを発揮している。12日の同戦(エスコン)も9回に2点差をはね返し、劇的な逆転サヨナラ勝ち。これで今季の対戦成績は9試合で8勝1敗となり、5月中旬にもかかわらずロッテ戦だけで早くも貯金「7」と驚異的な勝率を誇る。球団内からはこれは新庄剛志監督(52)の〝ある怨念〟という声も上がっているが…。

日本ハムにとってロッテは近年、天敵そのものだった。昨季までの2シーズンはいずれも11勝14敗と負け越し。2021年に至っては7勝13敗5分けと一方的にやられまくった。それがなぜ今季は突如、真逆の成績を残せているのか。

チーム周辺では若手選手の成長や天然芝仕様の本拠地でのプレーに慣れたことを挙げる声もあるが、球団内部の関係者は新庄監督の怨念とも取れる思いが大きな要因とみている。

その思いとは昨年6月24日の敵地・ロッテ戦でのいまいましい出来事だ。4―4の同点で迎えた9回。無死二、三塁の勝ち越し機で新庄監督は石井にスクイズのサインを出したものの、相手バッテリーに読まれて失敗。その後、一死三塁のチャンスでも再び石井にスクイズを敢行させたが失敗した。この2度に及んだ奇策不発が響きチームはサヨナラ負け。その試合前まで5連勝中だったチームはその後のシーズンで急降下を余儀なくされた。

「あれは2年連続最下位に沈んだ昨季のキーポイントになった試合。負けず嫌いで有名な新庄監督があの屈辱的な試合を忘れるはずがない。次の試合からスクイズのサインを変えたほど悔しさをあらわにしていましたからね。だからこそロッテへの復讐心は今も胸に秘めているはず。その証拠に今年のロッテ戦はこれまで以上にデータを駆使してリベンジに燃えている。今季ロッテ戦で采配が当たる傾向にあるのもそのためでしょう」(球団関係者)

新庄監督はこのところ昨季までのことを聞かれると「もう忘れた」と涼しい顔をするばかり。11日の試合後も今季のロッテ戦での好成績を問われると「去年の出来事は1ミリも覚えていない。今年がスタートなので」と意に介さなかった。だが、日頃から「俺は相手に絡まれたり嫌われたりしても逃げない。そうなったら逆に自分から絡んでいくタイプだから」と語る指揮官のこと。屈辱を受けた相手への怨念を発奮材料に変えているのは間違いないだろう。

まだロッテ戦は今季16試合も残している日本ハム。油断は禁物ながら指揮官の脳裏に昨季の悔しさがある限り、ロッテ戦の快進撃は続きそうだ。

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