ロシア大統領、ショイグ国防相を交代 後任にベロウソフ氏

Guy Faulconbridge Andrew Osborn

[モスクワ 12日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は12日、ショイグ国防相を交代させ、副首相だったアンドレイ・ベロウソフ氏を後任に起用する人事を提案した。

経済学を専門とするベロウソフ氏を国防相に充てることで、ウクライナでの勝利に向けて防衛費の有効活用を図り、経済戦争に備える狙いがあるとみられる。

大統領府によると、プーチン氏の長年の盟友で2012年から国防相を務めてきたショイグ氏は、ニコライ・パトルシェフ氏の後任として安全保障会議書記に就任するとともに、軍産複合体の責務も担う。パトルシェフ氏は別の職務に就く。このほか、ラブロフ外相は再任される見通し。

今回の人事刷新は22年2月のウクライナ侵攻以降にプーチン氏が軍司令部に対し実施した最も重要な変更となる。人事案は議会の承認が確実視される。

大統領府のペスコフ報道官は今回の交代について、軍と法執行当局が国内総生産(GDP)の7.4%を占めていた1980年代半ばのソ連のような状況に近づいているため理にかなっているとし、こうした支出を国家経済全体と整合的にすることが重要だと説明。プーチン大統領が国防相にエコノミスト起用を望むのはこのためだとし、「革新に前向きな者こそが戦場で勝利する」と述べた。

プーチン氏に非常に近いことで知られるベロウソフ氏は、ロシアのドローン(無人機)プログラムで重要な役割を果たしてきた。

一方、ショイグ氏はウクライナでの戦況を巡り軍事ブロガーらから強く批判され、昨年には民間軍事会社ワグネルの創設者だったプリゴジン氏が反乱を主導した経緯がある。

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