難所で劇的ドローの東京V・城福浩監督、「反省が多い」と課題口にするも「この鹿島での勝ち点1は自信に」

リーグ10戦無敗の東京V率いる城福浩監督[写真:©超ワールドサッカー]

東京ヴェルディの城福浩監督が、鹿島アントラーズとの激闘を振り返った。

東京Vは12日、県立カシマサッカースタジアムで行われた明治安田J1リーグ第13節の鹿島戦を3-3のドローで終えた。

3連勝を懸けて臨んだ3位チームとのアウェイゲームは非常に厳しい展開に。開始5分にハンドで与えたPKを決められて先制を許すと、直後の8分にもミス絡みの形で失点。さらに、2点ビハインドで折り返した後半立ち上がりにはセットプレーから今シーズンワーストの3失点目を喫し、万事休すかに思われた。

しかし、16年ぶりのJ1の舞台において、粘り強い戦いでしぶとく勝ち点を積み重ねる不屈のチームは、選手交代と立ち位置の変化で押し返すと、69分にMF齋藤功佑の左足ミドルシュートで反撃の狼煙を上げる1点目を奪取。

ここから一気にギアを上げて81分には鮮やかな左サイドでの崩しからFW木村勇大が3試合連続ゴールで1点差に詰め寄ると、6分が加えられた後半アディショナルタイムの93分にFKの流れからMF見木友哉が同点ゴールを奪い、3点差を追いつく劇的なドローゲームを演じた。

この結果、順位を1つ落として11位に転落した東京Vだが、リーグ戦無敗を2桁の大台に乗せた。

同試合後、公式会見に出席した城福監督は「ここまで多くのサポーターが来てくれて、彼らを失意のどん底に落として帰すわけにはいかなかった」、「最後に次に向かっていこうということをお互い確認し合えるような終わり方ができてよかった」と、試合直後の率直な思いを語った。

ただ、試合内容に関しては「今日は基準を作るのが、正直難しいジャッジだった」とレフェリングに対する不満を口にしながらも、「本当に反省することが多かった」と、DF林尚輝、FW染野唯月の主力2選手が契約によって不在となった中、異なる“チームの最大値”の出し方、相手の勢いに呑まれた前半の苦戦を含めて課題を口にした。

「相手のインテンシティの高さ、これはわかっていたけれども、そこに吞み込まれた試合の入りをしたこと。選手は圧力を受け続けたような前半を過ごしてしまって、後半さらに相手に点を奪われると、ほとんど勝ち目がないという状況で、失点をしたという意味で、あそこの(コーナーキックの)ジャッジで選手のちょっと集中力が途切れたかもしれませんけど、それでも我々に矢印を向けなければいけないので、3失点のところまでは反省することばかりです」

それでも、「そこから自分たちの形を変えていって、我々の良さを失わず、辛抱強くボールを回して崩し切って、点を取って勝ち点1を取れたこと。この鹿島のスタジアムで勝ち点1を取れたということは自信になる」と、最後まで諦めずに全力を尽くした末に難所でもぎ取った勝ち点1を評価した。

さらに、「自分たちがJリーグでサプライズを起こしたいという思いがあるので、そこの歩みを止めたくないし、そのためにも次に勝ち点3を取ることが大事」と、今回のドローを中2日で15日に行われるガンバ大阪とのホームゲームに良い形で繋げたいと改めて次節への決意を語った。

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