中国新規銀行融資、4月は7300億元に大幅減 予想にも届かず

[北京 11日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)のデータをもとにロイターが算出した4月の新規人民元建て銀行融資は7300億元(1010億ドル)で、3月の3兆0900億元から大幅に減少した。ロイターがまとめたアナリスト予想(8000億元)にも届かなかった。さらなる景気刺激策が打ち出されるとの見方が強まっている。

1─4月の新規融資は10兆1900億元。1─3月は9兆4600億元だった。人民銀は単月データを公表していない。

中国の銀行は年初に融資を前倒しする傾向があり、4月の融資が減少することは予想されていた。

4月のマネーサプライM2の前年比伸び率は7.2%。アナリスト予想の8.3%を下回った。3月は8.3%だった。

4月末時点の元建て融資残高は前年比9.6%増で、3月と変わらず過去最低のまま。アナリスト予想は9.7%増だった。

通常の銀行融資に加え、新規株式公開、信託会社の融資、債券発行などを含む広義の与信・流動性を示す社会融資総量は4月に前年比8.3%増え、伸びは過去最低だった。3月は8.7%増だった。

4月の社会融資総量は2000億元減少し、異例のマイナスとなった。

中国光大銀行のアナリストは「4月の新規融資、社会融資、M2は、主に季節的要因、不動産市場の低迷、国債発行の遅れにより予想以上に減速した」と指摘。「4月の新規融資と手形融資の実績は、実体経済からの資金需要が相対的に弱いことを示している」と語った。

人民銀のデータに基づきロイターが算出した、住宅ローンを中心とする家計ローンは3月の9406億元増から4月は5166億元の減少となった。企業向け融資は3月の2兆3400億元から4月は8600億元に減少した。

人民銀は10日、多くの課題に直面している国内経済の回復を確実にするため、適度に潤沢な流動性と信用拡大を確保すると表明した。

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