住友林業、主要構成を木材被覆のみで1時間耐火認定

__木被覆角形鋼管柱において、1時間[耐火構造](https://htonline.sohjusha.co.jp/encyclopedia/434-01/)の国土交通大臣認定を取得した。
石膏ボードを使用せず、被覆部分の主要構成部材を木材のみとした設計で耐火性能を確保。角形鋼管柱では国内初のことだ。__

脱炭素社会の実現に向け、建築分野では循環型資源である木材の積極的な利用に注目が集まっている。国は2021年に「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律(都市の木造化推進法)」を施行し、建築物全般への木材利用を促進している。

特に、人口減少などにより新築住宅市場の縮小が見込まれるなかで、木材の新たな需要先として注目されているのが中大規模建築だ。鉄骨造やRC造の中大規模建築でも一部を木造化・木質化する事例が増えており、木被覆した耐火鉄骨柱・梁のニーズが高まっている。

こうしたなか、住友林業はこのほど、木材を使って被覆した角形鋼管柱において1時間耐火構造の国土交通大臣認定を取得した。角形鋼管柱とは、断面が正方形で中空の鋼材を使った柱のこと。鉄骨造の非住宅建築で広く使用されている。

今回大臣認定を取得した設計の最大の特徴は、被覆部分の主要構成材が木材であること。木材の継ぎ目である目地部の耐火性能を確実に担保するため、副構成材に耐火発泡材を使用しているが、被覆部分のほとんどが木材で構成されている。石膏ボードを使用していない点がポイントだ。被覆材の9割以上を木質化した設計で耐火性能を確保したことは、角形鋼管柱では国内初だという。

耐火試験を繰り返し行い、最適な樹種の組み合わせと焼失層に適した厚みを模索した

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