長崎の外国人捕虜らを追悼 収容所で被爆したオランダ人や英国人 「交流と和解の象徴に」

記念碑に献花し、犠牲者を追悼する朝長代表(手前)=長崎市平野町

 戦時中、長崎市幸町にあった「福岡俘虜(ふりょ)収容所第14分所」に収容され、原爆で命を落とすなどした外国人捕虜らを悼む記念碑(長崎市平野町)で11日、追悼平和祈念式があった。市民ら約20人が参列し、世界平和と友好を誓った。
 第14分所は爆心地から約1.7キロの三菱重工業長崎造船所幸町工場内に置かれていた。原爆投下当時はオランダや英国などの捕虜約200人が収容され、8人が被爆死したとされる。
 記念碑は、オランダの遺族らが設立した財団と、長崎の市民有志が2021年5月に長崎原爆資料館前の市有地に建立。第14分所の屋根や、平和を象徴する折り鶴などのデザインがあしらわれている。
 祈念式は市民らでつくる維持管理委員会(朝長万左男代表)主催。参列者は黙とうや献花で犠牲者をしのんだ。井原和洋事務局長(66)は「市民レベルで戦争をさせない動きが必要。(記念碑を)交流と対話と和解の象徴のような場にしたい」と話した。

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