原油先物は下げ幅拡大、燃料需要の低迷懸念とドル高で

Florence Tan

[シンガポール 13日 ロイター] - アジア時間の原油先物価格は下げ幅を拡大。米連邦準備理事会(FRB)高官の発言で利下げ観測が後退し、米経済の成長鈍化と燃料需要の減退が懸念されている。

北海ブレント先物は0025GMT(日本時間午前9時25分)までに0.26ドル(0.3%)安の1バレル=82.53ドル、米WTI先物は0.23ドル(0.3%)安の78.03ドル。両先物ともに先週末10日は約1ドル安で取引を終えていた。

10日発表された経済指標では消費者のインフレ期待の上昇が示され、FRB当局者の間で現在の金利水準がインフレ抑制に十分かどうかを巡り議論が一段と活発になっている。

アナリストらは、FRBが政策金利を現行水準に長く維持すると予想しており、この観測がドルを下支えしている。

ANZのアナリストは、米国のガソリンと留出油の在庫がドライブシーズン開始を前に増加したことから、原油相場は需要低迷の兆しを受けて下落したと指摘した。

一方で、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成される「OPECプラス」が今年後半まで減産を延長する可能性があるとの見方が原油相場を下支えしている。

OPECの主要産油国であるイラクのアブドゥルガニ石油相は、OPECが合意した自主的な減産にイラクはコミットしており、原油市場の一段の安定に向けた取り組みで加盟国と協力する意向だと述べた。国営通信が同相の発言として12日に報じた。

同相は11日、OPECプラスが6月1日に開く次回会合ではさらなる減産に同意しないと述べていた。

© ロイター