即席麺 23年度は食数4%減、2年ぶり前年割れ 割安感で袋麺が健闘

日本即席食品工業協会調べによると、2023年度(4~3月)の即席麺総需要は57億5千6万食、前年比4.0%減だった。マイナスは2年ぶり。物価高の中でもコストパフォーマンスを強みに底堅い需要はみせたものの、2年連続価格改定の影響もあり過去最高だった昨年度(59億9千140万食)には届かなかった。

この数字はJAS品・非JAS品および生タイプの合計。月別の実績をみると、12か月のうち6~8月の3か月のみ前年クリアした。昨22年度が8か月でプラスだったことと比べると物足りない結果といえる。需要期の10月が6.7%減、11月が5.7%減と縮小し、12月は0.8%減と健闘したものの、今年に入り2月8.1%減、3月9.6%減と再びペースダウンした。なおトータルの57億5千6万食は過去5年で最も少ない。

ただし、小売金額ベースの実績(推計値)は7千466億円、前年比4.6%増と伸長。価格改定の効果を含むとはいえ、現在の算出方法となった2年前に比べて14%増と拡大している。

カテゴリー別の総需要は、カップ麺(構成比66%)が37億8千758万食、5.1%減と下げ幅が大きかった一方、袋麺(同34%)は19億6千248万食、1.9%減と善戦したことが注目される。「節約志向が高まる中で1食当たりの割安感が好感されたのでは」(メーカー営業)との指摘が多い。

なお、総需要のうち各社のロングセラーが多く該当するJAS数量(構成比74%)は4.4%減と前年割れ。カップ麺、袋麺とも3~4%ずつ縮小した。非JAS数量も2.7%減とマイナス。こちらはPBなどの廉価品、韓国やアジアからの輸入品などが主力を形成。近年は顕著に伸びていたが(20年21%増、21年5%増、22年16%増)、23年度は一服感が出た。

© 株式会社食品新聞社