小澤さん悼み定演 25、26日 水戸室内管弦楽団 茨城

あいさつする福田三千男水戸市芸術振興財団理事長=水戸市五軒町

茨城県水戸市にある水戸芸術館を運営する同市芸術振興財団は、本年度の事業計画を発表した。音楽、演劇、美術の3部門と地域連携事業で計121企画を予定。5月の水戸室内管弦楽団(MCO)の定期演奏会は、2月に88歳で亡くなった世界的指揮者、小澤征爾さんへの追悼を込めたものとなる。

音楽部門は5月25、26日に、MCOの第113回定期演奏会を開く。アルゼンチン出身の世界的ピアニスト、マルタ・アルゲリッチさんが独奏者として登場。プロコフィエフの「ピアノ協奏曲第3番」を披露する。アルゲリッチさんは1970年代から、小澤さんと世界の第一線で共演を続けてきた。MCOとの共演は去年に続き6度目。

指揮は、同楽団メンバーのラデク・バボラークさん。ブルックナーの「交響曲第1番」を披露する。同曲は、バボラークさんがベルリン・フィルの主席ホルン奏者を務めていた時、小澤さんの指揮で演奏した思い出深い楽曲という。

このほか、同館専属劇団のカルテットAT水戸が7月に、新ダヴィッド同盟が11月に演奏会を行う。

演劇部門は、昨年行われた人材育成事業「リーディングプロジェクト」から発展。プロジェクトで選出された若手俳優陣に、専属劇団ACMのメンバーが加わり、1月にシェイクスピアの劇中劇を演じる旅芸人一座の物語を上演する。

美術部門は、多彩な表現を繰り広げているアーティストに注目した企画展を開催していく。7月には国内外で活躍するアートユニット「山下麻衣+小林直人」の作品展示を行う。同展は動植物や自然を含めた「他者」との関係性を探る映像インスタレーションなどを紹介する。市民参加型の大型作品を広場に展示していく。

同財団の福田三千男理事長は「音楽、美術、演劇が多くの人に親しまれるような、素晴らしい事業を実現していきたい」と話した。

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