『学園アイドルマスター』天才よわよわアイドル「篠澤広」が予想の斜め上を行くキャラだった件―そう、彼女は“ドM”なんだ【先行プレイレポ】

『学園アイドルマスター』天才よわよわアイドル「篠澤広」が予想の斜め上を行くキャラだった件―そう、彼女は“ドM”なんだ【先行プレイレポ】

プロデューサーとなり、個性豊かなアイドルたちをプロデュースする育成ゲーム『アイドルマスター』シリーズ。その最新作『学園アイドルマスター』を先行プレイする機会に恵まれました。

この先行プレイですが、各メディアで9人のアイドルから1人をプロデュースする少々特殊なもの。そしてインサイドが担当するアイドルはこちら!

ミステリアスな雰囲気漂う天才少女「篠澤広(しのさわ ひろ)」です!

彼女のプロデュースを通し、ゲームシステムや本作ならではの特徴、なにより広ちゃんの魅力をお伝えできればと思います。

◆今度のアイマスは「学園」が舞台!頭脳は天才、体力はよわよわな「篠澤広」との二人三脚が始まる

まずは『学園アイドルマスター』のあらすじを紹介しておきましょう。舞台は国内最大級のアイドル養成学校「初星学園」。そこのプロデューサー科に入学したプレイヤーは、アイドル科の生徒をスカウトし、学園生活を通して二人三脚でアイドルとして成長させることを目指します。

シリーズ初の「学園が舞台のアイドルマスター」という挑戦的作品。ちなみにアイドル科は高等部、プロデューサー科は専門大学のため、同じ学生であってもプレイヤーの方が年上です。アイドルとの関係も「学生」同士ではなく「大人と高校生」がしっくりくるものでした。

篠澤広のプロフィールも紹介しておきます。彼女は14歳で大学を卒業した天才少女。しかし、簡単で退屈すぎる日々を嫌い、苦手分野に挑戦すべく初星学園でアイドルを目指すことにした、ちょっぴり変わった女の子です。

苦手分野なだけあり、特に運動能力が壊滅的。レッスン後に廊下で倒れたり、実技試験が0点だったり。運動不足や食生活の悪さもあってか、体付きも非常にガリガリ。特に脚の細さは見ていて不安になるほどで、SNSではキャラクターの発表当時、なんて声で盛り上がっていました。

また、「辛く苦しいレッスン」や「うまくいかないこと」に喜びを感じる変人とも紹介。とはいえ、PVでは「限界まで頑張る」といった発言も見られ、体力のデメリットに悩まされつつも健気に頑張る女の子という印象でした。

――しかし、プレイ前の筆者は思いもしませんでした。まさかこれらの印象が吹き飛ぶほど、広の「変人っぷり」が予想の斜め上を行く、クセつよアイドルだったとは。

◆プレイ前の印象を全て吹き飛ばした、篠澤広というクセつよアイドル

広との出会いはなかなかにセンセーショナル。彼女の生徒情報を見ながら「ユニークな経歴だなぁ~。担当プロデューサー苦労しそ~」などと抜かしていたら、廊下をふらつきながら歩く広の姿が!そして目の前で「きゅう。」と倒れました。なんてこったい。

保健室に運んで早々、「わたしをプロデュースしてほしい」と逆スカウト。一度は断るものの、1か月だけのお試し契約を結ぶことになりました。担当になったからにはプロデュースするまで!まずは見せてもらおうか、篠澤広の実力とやらを!

さぁイントロが流れだし、広の「いくよ~」の掛け声でパフォーマンスが始ま……らない。

広ちゃん、イントロだけで体力を使い果たしてしまいました。声もスカスカで振り付けももっさりしており、お世辞にも上手いとは言えません。前途多難ですが、アイドルを支えてこそプロデューサー!というわけで、レッスンの日々が始まります。

■やる気は十分、面白ネタもドキドキもこなせるいい子!

見た目からは分かりにくいですが、とにかくやる気のある女の子。レッスンが始まると「辛くて楽しい時間だね」とどこか嬉しそう。無事に終えれば「倒れなかった、褒めて」とアピールしてきます。可愛い!めいっぱい褒めちゃう!

性格は素直でノリも良し。SNSで話題を集めた食生活の問題もすぐに反省し、「トップアイドル養成ごはん」なるディストピア飯を用意して、「このごはんとドリンクで、健康になる」と目を輝かせながら言ってきました。

同じく運動が苦手な友達「倉本千奈」が身体能力の無さをダンストレーナーに指摘された際には、凄く真剣な顔で「逆立ちで耐える時間はわたしより長い」と擁護。軽いストレッチだけで体力を使い果たしてもドヤ顔で「限界ぎりぎりまでがんばった」と話すなど、ミステリアスというよりは、個性的で面白い子というイメージです。

前述の褒めてアピールをはじめ、「わたしとプロデューサーは通じ合ってる」や「プロデューサーの○○なところが好き」など、言う方も照れるようなセリフをダイレクトに伝えてくる一面も。それも嬉しそうに言うもんですから、こっちもコロッと好きになっちゃいます。

■そして明かされる真実……広ちゃんはM

初日のレッスンを終えたわけですが、調子を尋ねると「筋肉痛がすごい」そう。普通の子なら顔をしかめるところですが、彼女は笑顔です。達成感に浸っているのかもしれません。

前述したように体力も筋力もほぼなく、スカウト前もレッスンに参加しては倒れていたそう。でも楽しそうに「ふふ、要改善」なんて笑うんです。あー…、「まだまだ成長できる!」と伸びしろがあることを喜んでいるのかも。

エリートアイドルの「月村手毬」にアドバイスを求めています。他のアイドルにしているのより「もっときついアドバイス」が欲しいそう。「何を言われても落ち込まない。むしろ嬉しい」と念押しされ、手毬も困惑気味。顔を青くしながら「もっときついのが欲しい…?はっ!この子もしかして…」や「や、やっぱりこの子ってそういう…!?」などとドン引きしています。……ふーむ、雲行きが怪しくなってきましたね。

友達の「倉本千奈」「花海佑芽」と担当プロデューサーが付いた話題で盛り上がっています。プレイヤーのことを「わたしにとって、すごく、いいプロデューサーだと思う。好き」と紹介。キュンってきました。ちなみにどこが好きなんですか?

「この学園で会った人たちの中で、いちばんわたしのことを、低く評価しているところ」

「わたしのことを、いまにも見限ってきそうな眼差しが好き(凄く恍惚とした表情)」

「1か月だけのお試し契約だから……来月になったら、わたしは捨てられちゃうかも(凄く幸せなそうな表情)」

いやーなるほどなるほど。友達もかなり困惑していますね。もちろん私も困惑しています。そうかそうか……広ちゃん、マゾっ気の持ち主だったんですね。

広のマゾっ気を知ってからは、出るわ出るわそういうエピソード。試験前に「失望させないでくださいね」と声をかけたら、「いつもわたしが欲しい言葉をくれる。胸があったかくなる」と気分が上がったり、「わたしがアイドルになれる確率は?」と問われて、「1%」と返したらこれまた喜んだり。

体力の無さに打ちひしがれるような展開もなく、むしろ無いからこその苦しさに嬉々として取り組んでいます。なるほどね、いつもやる気満々なのもレッスンが楽しいからだったんだね。レッスンが始まるときの「辛くて楽しい時間だね」も何一つ偽りはなかった。

確かに「辛く苦しいレッスンやうまくいかないことに喜びを感じる変人」と紹介されていましたが、想像以上のマゾっ気具合。ニュアンス的には「簡単に達成できないことや困難に挑むのが楽しい」っぽいんですが……うーん、判断に困るラインです。

プロデューサーも「厳しい言葉をかけるたび上機嫌になるアイドルなんて他にいない」と悩みまくり。もうね、プロデュース後半になると選択肢にも慣れが見えるんですよ。「お先真っ暗ですね」とか辛辣なものばかり。でもそれで広が喜ぶんだからしかたない!

ですが、マゾっ気アイドルと辛辣プロデューサーだからこそ見られる独特なストーリーもこれはこれでアリ!なんやかんや相性は最高(プロデューサーが順応していっているとも言う)ですし、アイドルとしてダメダメだからこそ、着々と成長していく姿は見ていて込み上げてくるものがありました。

◆アイドルを育成していると思ったら、カードゲームをやっていたぜ!

そろそろゲームシステムにも触れていきましょう。メインコンテンツは、9人のアイドルから1人を選んで育成する「プロデュースモード」です。

目標は学園の定期ライブに出場すべく、数週間後にやってくる「中間試験」と最後に待つ「最終試験」を突破すること。そのためにも、アイドルが持つ「ボーカル」「ダンス」「ビジュアル」のパラメータを上げなければいけません。

育成はターン制で進み、最終試験を含めて全13ターンと短め(プレイ時間は30分くらい)。パラメータを上げる「レッスン」に挑んだり、消費した体力を回復すべく「休む」や「おでかけ」をしたりと、ターンごとに変わるスケジュールを選んで進めていきます。

■レッスンはカードゲーム!

パラメータ上げの基本「レッスン」を一言で表せば「カードゲーム」。スキルカードを使って、限られたターンで目標パラメータまで上げられればレッスンクリアです。

カードを使うには体力が必要で、例えば「アピールの基本」カードは、体力を4消費してパラメータを9上げます。極端な例ですが、残りターンが「8」で目標パラメータが「15」ならば、8ターン以内にこのカードを2枚引いて使えばレッスンクリアです。

カードは1ターンに3枚が「山札」から配られ、その中から1枚だけ使用可能。使わなかったカードは「捨札」となり、山札が0枚になると再び山札に戻ります。中には1回しか使えないカードもあり、使うと「除外」されてそのレッスン中は山札に戻りません。

カードはパラメータを増やすだけでなく、体力の代わりに消費する「元気」を獲得するものや、パラメータ上昇量を50%増加する「好調」を付与するものなど、様々な効果が存在。そしてアイドルごとに、得意な立ち回りも異なります。

■広の立ち回りはひたすら守って、最後に一発逆転!

広の立ち回りは、前半でひたすら「やる気」と「元気」を上げて、後半で「元気の〇〇%分パラメータを上昇する」系のカードで一気にパラメータを増やすというもの。

「やる気」は積んだ数につき「元気」の獲得量を増やす効果。例えば「やる気2」の時に「元気4」を獲得できるカードを使えば、合計で「元気6」を獲得できます。

広は「やる気」と「元気」を獲得できるカードを中心に持っているので、どんどん「元気」が増加。「元気100」を超えることもよくあり、その状態で「元気の100%分パラメータを上昇する」カードを使えば、一気に100超えのパラメータを上げられるわけです。

またアイドル1人につき1つ、レッスンを有利に進める「Pアイテム」を持っています。広のPアイテム「みちくさ研究ノート」の効果は「ターン開始残り2ターン以内の場合、元気の50%分パラメータ上昇」というもの。

貯めた元気が後半で大量のパラメータに変わっていくのは見ていて爽快!ラストターンで「ハートの合図」という、「元気を半分にして、減少前の元気の130%分パラメータを上昇する」カードを引けた時なんて脳汁ドバドバです!

ただし、元気をパラメータに変えるカードを引けるかは運なので、ラストターンに引けなかった時は、貯めた元気が無駄になったようでメチャクチャ萎えます。

これを助ける「Pドリンク」も用意。ターンを消費せずいつでも使用でき、「このターンは2枚までカードを使える」や「手札をすべて入れ替える」などの便利な効果を持っています。育成の様々な場面で入手でき、最大3つまで持っておけます。

■プロデュースモードは「デッキ構築型カードゲーム」でもある!

レッスンで上げたパラメータは、そのままアイドルのパラメータに加算。レッスンクリア報酬では「新しいスキルカード」も選んで入手できます。

この他にも、スキルカードは育成の様々な場面で入手可能。プロデュースモードは、担当アイドルにあったカードを取捨選択していく「デッキ構築型カードゲーム」とも言えるでしょう。アイドル育成ゲームなのに「初動用にこのカードが欲しい」や「フィニッシャーが少ないな」と、デッキ構築に悩む自分がいました。

ちなみに、育成を何回もやってプロデューサーLvを上げれば、入手できるカードのラインナップが増加。より強いカードが登場するようになり、立ち回りの幅も広がります。プロデューサーLvを上げる=より強いアイドルを育成できると考えて良いでしょう。

そして、「中間試験」と「最終試験」も基本はレッスンと同じ。他のアイドルたちと「スコア(レッスンでいうパラメータ)」を競い合い、上位3位以内に入ればクリアです。

「ボーカル」「ダンス」「ビジュアル」のパラメータに応じてスコアボーナスも発生するので、それまでの育成でしっかりパラメータを上げていれば、試験をクリアしやすくなります。

立ち回りもレッスンとそう変わりません。初めはなんとか3位に入れる成績でしたが、慣れてきたのとプロデューサーLvが上がって強いカードが増えてきたことで、2位にダブルスコアで勝てるほどになっていました。

まぁ、欲しいカードを引けるかは運なので、1位を逃すこともたまにあります。結局は「デッキ構築が上手くいったか」と「レッスンや試験でカードを上手く使えるか(そして引けるか)」が大事です。なお、試験は「再挑戦」もできるので安心です。

■理想的な「メモリー」を目指して育成を繰り返す!

最終試験を突破すれば1回の育成はクリア。育てたパラメータなどを基に「メモリー」が生成されます。

メモリーは次回の育成時に最大4枚まで編成でき、特定タイミングでスキルカードを自動獲得できたり、初期パラメータを上げたりと様々な効果を発揮。メモリーごとに効果は異なるので、理想的なメモリーを求めて育成を繰り返すのが本作の流れです。

また「サポートカード」も最大6枚まで編成でき、似たような効果で育成をサポートしてくれます。

◆広ちゃんの成長を「ソロライブ」で見届ける!育成パラメータに応じてどんどん豪華なステージに

メモリーが生成されて終わり……だけではありません!プロデュースの最後には、担当アイドルの「ソロライブ」が待っています。そしてこのライブこそ、本作のもっとも特徴的な部分。育成したパラメータに応じて、パフォーマンスが大きく変わるのです!

初めてのプロデュースでは、中庭のちんまりとしたステージでライブ。パラメータが低いゆえか、歌声やダンスもまだまだ拙く、なんというか文化祭レベル。観客もまばらですし、なんならサビまで歌わせてもらえません。

でも、広ちゃんのよわよわっぷりを見てきた身としては、ここまで歌って踊れるようになっただけでも十分凄い!……え、まだ頑張れる?

というわけで、パラメータを上げて育成を終えると、今度は屋上ステージにグレードアップ。ちゃんとサビも歌ってくれます。

さらにパラメータを上げると、立派な屋外ステージに移動!前2つは自分でカメラを動かしていたのですが、ここからは専用のカメラワークが登場します。

中庭の時と比べて振り付けはしなやかになり、表情もより感情豊かにレベルアップ。それをカメラワークがここぞという場面で映すなど、クオリティがグッとよくなっています。

この勢いで次のレベルも目指そう!……と言いたいところですが、ここからが大変。公式PVのような巨大アリーナでライブをするためには、「True End条件」を満たさなければいけない模様(※正確な条件かは断言できません)。

条件には周回プレイを要するものや、プレイを進めた先でないと挑戦できないものもあり、とにかく時間がかかります。

思い返せば公式生放送でも「PVのような立派なライブはそう簡単に見られない」と言っていました。これは先行プレイ中にたどり着くのは無理か……?

いいえ、やってやりましたとも。

合計プロデュース回数は14~16回ぐらい。その他の条件クリアもあわせて、かかった時間は10時間程でしょうか。まぁまぁ大変でした。

ですがその分、ライブを見た時の達成感は凄まじいものがあります。中庭、屋上、屋外ステージと順々に見てきたからこそ分かる、広の上達ぶり。声も振り付けも表現力も全てにおいて段違いです。

ダメダメだった広がここまで成長し、大勢の観客を魅了する姿は感慨深いものを感じます。厳しい言葉で喜ぶ彼女ですが、今だけは気にせず褒めちぎりたい!

そして広には悪いですが(むしろ喜びそうですが)、「プロデューサー、俺たちヤベー性癖の子をよくここまで育てたよな…!」と苦労の日々が報われるような、何とも言えない気持ちに挟まれている自分がいます。これが広をプロデュースするということか……!


というわけで、『学園アイドルマスター』篠澤広の先行プレイレポートをお届けしました。本作はスマホ向けに2024年5月16日(木)配信予定。個性的な彼女ですが、本稿で触れたストーリーは序盤に見れるものがほとんど。この先どのようなプロデュースを歩むかは、リリース後にぜひご自身の目でお確かめください。

※記事内の画像は先行プレイ版のものです。
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