こんな死に方絶対イヤ…!『名探偵コナン』初期に登場した悲惨すぎる被害者

少年サンデーコミックス『名探偵コナン』5巻(小学館)

劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』が大ヒット上映中のうえ、コミック最新刊105巻も発売され、今年も『名探偵コナン』は絶好調である。毎回さまざまなミステリーで私たちを楽しませてくれる本作だが、ジェットコースターに乗っていた被害者の首が吹っ飛ばされる最初の事件『ジェットコースター殺人事件』に代表されるように、特に初期の事件は残酷な殺人方法が多かった。

そこで今回は、初期の『名探偵コナン』に登場した悲惨すぎる被害者を紹介する。いずれもこんな死に方だけは絶対イヤだと思えるものばかりだ……。

■体は斧でバラバラにされ、首は…『山荘包帯男殺人事件』

コミック5巻、アニメ34話〜35話『山荘包帯男殺人事件』は、その殺人方法があまりにも猟奇的で、現在の地上波ではそのままでは放送できないものとなっている。

山の中にある鈴木園子の別荘を訪れた毛利蘭と江戸川コナン。そこには園子と姉の綾子、そして綾子の大学時代の映研仲間4人がおり、合計8人で山での楽しい時間を過ごすはずだった。しかし、何者かにより吊り橋が落とされ、外界と断たれた“クローズド・サークル”になり事件が起こる。

映研仲間の中の一人・池田知佳子は、過去に同じく映研に所属していた徳本敦子の書いたストーリーを盗用し、在学中に新人賞を獲るなど売れっ子脚本家となっていた。しかし、それを苦に敦子は命を絶ってしまう。ことの顛末を知った高橋良一によって、知佳子は恨まれ殺されることとなる。

高橋は、顔を包帯でグルグル巻きにした“包帯男”に扮し、知佳子を斧でバラバラにする。しかも、切り落とした知佳子の頭を、“包帯男”の人形とともにピアノ線で吊り、窓越しにみんなに見せたり、その後、頭を服の中に隠して“ぽっちゃり体型”を装い堂々と移動したりと、常軌を逸したアリバイ工作をしている。殺されバラバラにされた挙句、頭を弄ばれるようなこの殺され方は絶対にイヤだ。

ちなみにこの回は、現在では不動のレギュラーメンバーである鈴木園子が初登場した回でもあり(アニメは6話『バレンタイン殺人事件』が初)、コナンに麻酔銃で眠らされ“眠りの園子”初の謎解きも披露している。

■高層階から突き落とされ、銅像に突き刺さる!『闇の男爵(ナイトバロン)殺人事件』

コミック8巻、アニメでは68話から事件篇・疑惑篇・解決篇と3週にわたって繰り広げられた『闇の男爵(ナイトバロン)殺人事件』。貴重な蘭の水着ショットがあることでも有名なこの回だが、一方、殺人方法はかなり凄惨で衝撃的だった。

場所は伊豆のリゾートホテル。毛利小五郎に蘭、そしてコナンが、犯人“闇の男爵”を見つけ出すと宿泊費がタダになるミステリーツアーに参加したことから物語は始まる。

ツアー参加者の一人である江原時男は、他人のコンピューターをハッキングし開発中のソフトを奪った過去を持つ。ソフトを奪われた被害者は会社の屋上から身を投げてしまうのだが、その無念を晴らすために、妹の佐山明子によって殺されることとなった。

睡眠薬によって眠らせられた江原は、ナイトバロンの衣装に着替えさせられホテルの高層階から突き落とされる。

これはツアーの演出の際に誤って転落した事故死に見せかけるためであり、身を投げて亡くなった兄と同じ方法で殺したいという明子の思惑によるものでもあった。結果として、江原は多くの人で賑わう屋外レストランに落ち、その一角に飾られていた銅像に突き刺さり絶命するかなりショッキングな死に方をしている。

さらに、この犯人・明子は本命である江原時男殺しの前に、名探偵である小五郎を追い返すため、連れのコナンを同じく高層階から突き落としている。一階のプールに落ちることをある程度予想したにせよ、子どもにすら容赦がない犯人だった。

■肺に穴を開けられ長い苦しみを味わう…『雪山山荘殺人事件』

コミック10巻~11巻、アニメ46話の『雪山山荘殺人事件』。この事件の被害者は長い苦しみを味わった末に死亡する、かなりイヤな殺され方をしていた。

医大教授・大山将の雪山の別荘に招かれた小五郎と蘭、コナンは、大山や彼の教室員達とともに楽しく鍋を囲む。その後、テレビドラマを見るために一人席を立った大山だったが、数時間後、ロープで縛られ背中に包丁を突き立てられた状態で発見される。

大山将は、教室員の一人である中原香織の論文を盗み学会で発表した過去を持っており、そのことを恨んだ中原によって、今回殺されることとなったのだ。

中原の恨みは激しく、医学部助手としての知識を使って大山に最大限の苦しみを味わわせて殺そうとする。大山をロープで縛り、背中から包丁を刺し肺に穴を開けた。こうすることで、空気を吸っても空いた穴から空気が漏れ、さらには漏れた空気が肺や心臓を圧迫し、数十分間もがき苦しんだ挙句窒息状態で死に至るのだ。想像しただけでも息苦しくなるような非常にイヤな殺され方である。

しかし、この苦しみを与えようとした数十分間が仇となる。大山は死ぬまでの数十分を使って将棋の駒になぞらえたダイイングメッセージを残し、コナンによって真相が暴かれることとなったのだ……。

今回は初期の『名探偵コナン』に登場した悲惨すぎる被害者を紹介してきた。いずれも非常に凄惨な殺人方法であり、どれも絶対イヤだと思える死に方ばかりだった。

そして偶然にも、これらの被害者は全員、脚本にコンピューターソフト、研究論文を盗んだのをきっかけに激しい恨みを買って殺されていた。こんなイヤな死に方をしないためにも、他人の大切にしているモノを盗んでは絶対いけないということだろう。

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