「肉離れ寸前…痛みに耐えた」アビスパ福岡の〝鉄人〟前寛之が積み上げたJ1連続試合出場、チーム歴代最長「119」で途切れる

4月28日の東京V戦の前半、シュートを放つ福岡・前(撮影・冨永豊)

J1アビスパ福岡の前寛之(28)のJ1リーグ戦連続出場が119試合で途切れることになった。11日のアウェー京都戦で警告を受け、15日のアウェー神戸戦は出場停止。「もっと続けられたらよかったですけど、(イエロー)カードのもらい方は反省しないといけない」と話した。

とは言え、長谷部アビスパがJ1に初昇格した2021年の開幕節から3年以上にわたって試合に出続けて積み重ねた試合数はJ1でのクラブ最長記録。当時J2の福岡に加入した20年の34節から数えると約5年、128試合のリーグ戦に出続けた。

その間「足首がすごく腫れていたり、肉離れ寸前だったりした時もありました」と振り返ったが、「痛みに耐えた。トレーナーさんに(練習が)休みの日にもケアをしてもらったり、体調管理を欠かさずやったりした結果だと思います」と周囲の支えに感謝した。

若手とポジション争い「危機感もあります」

20~22年は主将も務めた「長谷部アビスパの心臓」と呼ばれるボランチ。今季はともに22歳で新加入の松岡大起と重見柾斗らと激しいポジション争いを演じながら11試合に先発し、13試合連続出場していた。

「自分が2人の年齢の時に、ああいうプレーができていたかと言ったら、少し(プレーに)若さもあったし、分からない。今年はそれほど、良いパフォーマンスは出せていないと自分自身は感じているので、もちろん危機感もあります」と本音を明かした。

ただ、このまま出場時間を減らすつもりはない。「そういう中でやっていくことで、また自分も成長できると思っているから負けずにやっていきたいと思いますし、切磋琢磨(せっさたくま)しながらサポートできることはしていきたいと思っています」と意欲を見せた。
(向吉三郎)

【次ページ】アビスパのJ1リーグ戦連続出場10傑

アビスパ福岡のJ1リーグ戦連続出場(Jリーグ調べ)

①119試合 前寛之(2021年1節~24年13節)

②68試合 山岸祐也(2022年1節~23年34節)

③54試合 ルキアン(2022年1節~23年20節)

④46試合 村上昌謙(2021年10節~22年18節)

⑤43試合 山下芳輝(1998年第1ステージ6節~99年第1ステージ10節)

⑥38試合 金森健志(2021年17節~22年17節)

⑦37試合 小島伸幸(1999年第2ステージ12節~2001年第1ステージ3節)

⑦37試合 西田吉洋(1998年第2ステージ11節~99年第2ステージ15節)

⑨35試合 古邊芳昇(1996年29節~98年第1ステージ1節)

⑩33試合 城後寿(2016年第1ステージ1節~16年第2ステージ16節)

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