アップル、iPhoneに「ChatGPT搭載」合意間近との報道

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アップルがiPhoneへのChatGPT搭載につきOpenAIと合意に近づいていると、米Bloombergが報じている。自社デバイスにAIを搭載する幅広い取り組みの一環とのことだ。

匿名情報筋は、両社が次期iOS 18でChatGPTの機能を使う契約の条件を最終調整していると語っている。また、アップルはGoogleともチャットボット「Gemini」のライセンス供与につき協議中であり、まだ合意に至っていないという。

今回のレポートでは、ChatGPTによりどのような新機能が実現するか、詳細は不明なままだ。またアップルとOpenAIとの契約が「すぐに発表されるという保証はまだない」とクギを刺している。

アップルが他社の生成AIをiOS 18に組み込むために交渉を進めていることは、3月にも報じられていた。当時はGoogleと「活発に交渉している」とされていたが、先にOpenAIとの協力に進展があったようだ。

iOS 18の生成AI機能は主にオンデバイス、つまり「iPhone内部で完結し、クラウドサーバーと通信しない」ものになる見通しだ。外部とやり取りしないことで処理速度も向上し、プライバシー保護も徹底できるメリットがある。

その上で、なぜアップルはGoogleやOpenAIの生成AIを使おうとしているのか。理由の1つは、オンデバイスでは複雑な処理ができないため、クラウドベースの外部サービスが必要であること。もう1つは他社のAIで著作権等の問題が生じても、そのAIを提供する側の問題にできるためとの報道もあった

同社は自社設計チップのM2 Ultraを搭載したクラウドAIサーバーを準備中とも報じられていた。その上でChatGPTやGeminiも動かすのか、気になるところだ。

かたやOpenAIは「Google I/O」直前に独自の検索エンジンを発表するとの報道もあった。しかしその後、サム・アルトマンCEO自らが「GPT-5でも検索エンジンでもない」と否定した。

The Informationは、OpenAIがSiriやGoogle Assistantに対抗するAI音声アシスタントを開発中だと報じている。またアルトマン氏は、元アップルデザイン最高責任者ジョニー・アイブ氏とAI搭載のパーソナル機器につき提携し、資金を募集しているとの噂もあった

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