ジョコビッチ、67分の完敗で全仏オープンに不安「別人がシューズを履いたようだった」[イタリア国際]

ジョコビッチ「リズムもなく、テンポもない。どのショットもバランスが悪い」

現地5月12日、男子ツアー「BNLイタリア国際」(イタリア・ローマ/ATPマスターズ1000)シングルス3回戦が行われ、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク1位)は、第29シードのアレハンドロ・タビロ(チリ/同32位)にブレークポイントすら握れず2-6、3-6のストレートで敗戦。「別人がシューズを履いたよう」と語った。

約1ヵ月ぶりの実戦となったジョコビッチは、過去6度の優勝を誇る今大会2回戦でコランタン・ムーテ(フランス/同83位)に6-3、6-1で勝利。好スタートを切ったと思えたが、この日は果敢に攻撃を仕掛ける左利きのタビロに完敗を喫した

第1ゲームをダブルフォールトでブレークを許すと、第3ゲームもピンチを迎えるとタビロのフォアハンドの強打に動けず、開始から4ゲームを奪われた。精密機械とも称されるジョコビッチの精度の高さは影を潜め、リターンやストローク戦でもミスが多い。2-6でセットを失うと第2セットも流れを引き寄せることはできず、2度目のブレークを許して3-6。試合時間67分と、ブレークポイントすら握れない黒星は今季3度目で、全仏オープンに不安を残した。

試合後には、「対戦相手におめでとうと言いたい。彼とは初めて対戦したが、素晴らしい選手。本当に質の高い選手だ」と勝者のタビロを称えたジョコビッチ。だが、「正直、ボールを打つときにいい感覚をつかむことができなかった。調子が悪かった」と自身のプレーにはもちろん納得していない。

試合前日には、観客席から落下した水筒が頭部を直撃。その翌日にはヘルメットをかぶってサインに応じるなどのジョークも見せていたが、「昨日は簡単なトレーニングをした。何も感じなかったけど、同じ感覚でもない。今日はバランスが悪かった。2日前とは全く違う選手だ。(水筒が直撃したこととの関連は)どうだろう、メディカルチェックをして何が起こっているのか見てみないと」とコメント。

「衝撃は大きかった。その後治療を受けたが、30分から1時間、吐き気やめまい、出血などいろいろなことが起きた。頭は痛かったけど昨日はかなり良かったからたぶん大丈夫だと思う」と明かした。

続けて、「今日のコートでの感じ方は、完全に別人がシューズを履いたようだった。リズムがなく、テンポもない。どのショットもバランスが悪い。少し気になる」と述べている。

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