ソフトバンク好調先発陣に〝ゆとりローテ〟の恩恵 先発防御率「3・63」→「2・08」中6日にこだわらない運用 小久保監督「しのげそうだなという感じ」

倉野コーチ(左)と話す小久保監督(撮影・栗木一考)

首位を走るソフトバンクは34試合を消化し、チーム防御率「1・99」と驚異の1点台をたたき出している。課題とされた先発陣も好調で先発防御率は昨年の「3・63」からここまで「2・08」と絶好調。日程も味方につけた〝ゆとりローテーション〟が功を奏している。

開幕からここまで6連戦は2回のみ。週5試合が多い余裕のある日程を8人の先発陣で補ってきた。3年ぶりに復帰した倉野信次投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーターは「いろんなパターンを考えているし、それが崩れた場合も想定している」と小久保裕紀監督ともに先発ローテーションを組んできた。

開幕投手を務めた有原航平を翌日に出場選手登録を抹消し、中10日で次戦に回すなど弾力的な運用を試みた。その後、火曜の有原、土曜のモイネロと軸になる投手は中6日で回したが、変則日程もあり、その他の投手は中6日以上の余裕のある起用も続けた。

東浜巨は中6日が2回、中8日が2回。大関友久は中6日が2回、中8日が1回、中5日も1回だけあった。スチュワートは中6日が1回、中7日が1回、2軍での調整登板を挟んだ中13日も1回あった。石川柊太は途中で中継ぎ待機もあり、先発に復帰した。

また今季から先発転向した大津亮介は中7日、中9日、中10日が1回ずつと間隔を空けての起用を続けた。ベテランの和田毅を含め、8人を1軍の先発候補として準備していたことが〝ゆとりローテ〟を可能にした。

28日から交流戦が始まり、6連戦が3週続く。先発陣にとっては踏ん張りどころ。小久保監督は「曜日も確定できるところはして、あとはちょっと流動的に考えています。3週とも全員同じメンバーが6人、バシッといく予定にはしていないです。これからちょっと交流戦のところまで含めて、倉野コーチとは最終的には決めます」と説明した。

小久保監督は「今年の日程は6連戦が少ない。だから先発陣を決めかねているところって、空いてる枠に3人、4人(候補が)いるので、そういう現象が起こっている。それはある程度決めてやらんとね。本人たちが次、どこで投げるか分からないと調整が難しいので。後半戦も夏場で暑くなりますけど、連戦っていうことに関しては9連戦の前に6連戦が2回だけしかないので。比較的その辺は今の先発陣の数がいれば、しのげそうだなって感じです」と手ごたえを話した。(小畑大悟)

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