被爆体験者を考える「長崎・広島リレーシンポジウム」 2つの被爆地の格差を指摘

長崎で原爆にあいながらも国が定めた「被爆地域」の外にいたとして、被爆者と認められていない「被爆体験者」について考えるシンポジウムが長崎市で開かれました。

県保険医協会などが開いたシンポジウムには、「被爆体験者」や支援者、有識者など約60人が参加しました。

広島ではこれまで被爆者と認められていなかった、放射性物質を含んだ「黒い雨」をあびた人たちが、2022年度以降に被爆者の認定を受けています。

一方、長崎では被爆地域の外にいた「被爆体験者」が被爆者と認められておらず、2つの被爆地に大きな差が生まれています。

シンポジウム世話人代表 広島大学 田村和之 名誉教授
「どう見てもアンバランス。差別、分断という言葉を使わざるを得ない状況が続いている」「(被爆体験者は)被爆者として正当に、真っ当に扱われければいけない」

被爆体験者 岩永千代子さん
「私は老婆です、耳も聞こえませんし、いろいろな症状に悩んでいますが哀れまないでください」「内部被ばくの問題」

参加者からは「被爆体験者を救済の対象外とすることは、核による被害の大きさを過小評価している」という意見があがりました。

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