トランプ氏、不倫口止め疑惑裁判の判事と検事を非難

Gram Slattery

[ワイルドウッド(米ニュージャージー州) 11日 ロイター] - トランプ前米大統領は11日、ニュージャージー州の観光地ワイルドウッドで開いた集会で、不倫口止め疑惑に絡む裁判を担当する判事と検事を非難した。

トランプ氏は、ニューヨーク州のアルビン・ブラッグ地区検事と同州地裁のフアン・マーチャン判事の両氏がバイデン大統領の命令に従って働いていると非難。「彼らは歪んだジョー・バイデンの命令を履行している。これは全て、歪んだジョー・バイデンのために行われているのだ」と述べた。さらにブラッグ氏の容姿を「太ったアルビン。腐ったやつだ」とけなした。

トランプ氏は2016年大統領選の直前、不倫相手に支払った口止め料を法務費用と偽って会計処理した罪に問われている。

一方でトランプ氏は11月の大統領選で当選した場合に打ち出す経済政策について示唆。以前、メキシコに工場を建設した自動車会社の幹部に「『全ての輸入車に200%の関税を課す』と言った」と話したが、どの国が関税の対象になるかは明らかにせず、この発言が正式な政策の提案であるかどうかも明言しなかった。

またニュージャージー州の洋上風力発電プロジェクトを中止すると表明。中間所得層、高所得層、低所得層、企業を対象に「大規模な減税を実施する」と述べたが、詳しくは説明しなかった。

ニュージャージー州は民主党の地盤であり、2020年の大統領選ではバイデン氏がトランプ氏に16ポイントの差をつけて勝利した。このためトランプ氏が次回大統領選で同州を制する公算は小さい。

だが沿岸部にあるワイルドウッドは、激戦州の1つであるペンシルベニア州からの所要時間が90分以内の場所にあり、週末にはフィラデルフィア都市圏の住民が訪れる人気の観光地だ。トランプ氏は演説中、ペンシルベニアについて何度も言及した。

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