ロシア・ベルゴロド州で集合住宅崩壊、ウクライナが砲撃と当局は非難

ウクライナと国境を接するロシア・ベルゴロド州の州都ベルゴロドで12日、集合住宅の爆発があり、建物全体が崩壊した。ロシアはウクライナ軍の攻撃によるものだと非難している。

現場の監視カメラ映像では、10階建ての集合住宅の低層階付近で大きな爆発があり、その後建物が倒壊したことが確認できる。

ベルゴロド州のヴャチェスラフ・グラトコフ知事は、がれきの中から2人の遺体が収容されたと述べた。少なくとも19人が負傷したという。

ベルゴロド市はウクライナ北東部ハルキウ州と接する国境近くにある。ロシア軍は10日に同州への攻撃を開始した。

ベルゴロド州は2022年にロシアがウクライナに全面侵攻を開始して以降、ウクライナ軍からしばしば標的にされてきた。ウクライナ当局はこれまで、越境攻撃は民間人を標的にしたものではないとしている。

「逃げられなかった」

グラトコフ州知事は、ウクライナが同州を砲撃したことが爆発の原因だと非難した。

この説明について、ウクライナ政府は疑問を投げかけている。ある政府関係者は、ウクライナに向けてロシア軍機が投下した誘導爆弾の滑空翼が開かなかったことが原因ではないかと指摘した。

現場の様子を捉えた複数画像には、救助隊が手作業でがれきを取り除き、生存者を探している様子が写っている。メインの建物がさらに崩壊する恐れがあるとして、周囲の集合住宅の住民は避難している。

がれきの中に複数の人が閉じ込められていると考えられると、グラトコフ州知事は付け加えた。

住民の1人はロシア国営通信社RIAノーヴォスチに対し、爆発が起きた時に寝室にいた夫が、頭と顔を負傷したと語った。夫には逃げる「時間がなかった」と、この女性は述べた。

ロシア調査委員会の報道官は、刑事事件として捜査が開始されたと述べた。

今回の出来事は、ウクライナ北東部で国境を越えた「激しい戦闘」が続く中で起きた。ロシア軍は10日にウクライナ・ハルキウ州に越境攻撃を仕掛け、同州に侵入した。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は12日夕の演説で、ロシア軍の攻撃を受けて数千人が家を追われたと述べた。

「ハルキウ州での攻撃の背後には、我々の武力を分散させ、ウクライナ人の士気とモチベーション、自衛能力を低下させるという考えがある」と、ゼレンスキー氏は付け加えた。

ロシア国防省は自軍がハルキウ州の5村を制圧したと主張している。

(英語記事 Russia blames Ukraine as Belgorod apartments collapse after blast

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