英、記録的な冬期豪雨で主要穀物の自給率低下=シンクタンク

[ロンドン 13日 ロイター] - エネルギーや気候変動の問題を研究している非営利団体エナジー・アンド・クライメート・インテリジェンス・ユニット(ECIU)は13日、英国では今年、冬期の記録的な豪雨に伴う不作により主要穀物の自給率が2018─22年の平均である86%より8%ポイント低い78%に下がるとの推計を示した。

冬場の数カ月間に降雨量が多かった影響で広範な農地が水浸しとなり、多くの農家は作付けができなかったり、植え付けた作物が流されたりした。

ECIUによると、特に小麦の自給率は18─22年平均の92%から今年は68%に下がると推計され、国内消費量の約3分の1を輸入に頼らなければならなくなる見込みだ。菜種油の自給率は75%から40%に下がる見通し。

農家はまた、ジャガイモとタマネギの生産量も低調にとどまると予想している。

国内生産量が減少して輸入量が増えれば、食品のインフレ率の鈍化傾向に歯止めが掛かる可能性がある。公式統計によると、食品のインフレ率は23年3月に45年ぶりの高水準となる19.2%に達したが、今年3月には4%にまで下がっている。

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