いなげや 決算/3月期増収増益、既存店売上高・客数が好調

いなげやが5月10日に発表した2024年3月期決算によると、営業収益2614億8600万円(前年同期比5.2%増)、営業利益29億3100万円(54.3%増)、経常利益28億9200万円(32.4%増)、親会社に帰属する当期利益17億2800万円(前期は21億500万円の損失)となった。

売り上げ面は、曜日セールやポイント施策の強化を行い既存店客数が前期比2.6%増と回復したことから増収を計上した。

利益面では、売上高の増加が人件費・物流費の高騰をカバーし、増益となっている。

<本杉吉員社長>

5月13日実施された決算説明会で本杉吉員社長は「紙のチラシからデジタルへの移行、曜日セールの定着などにより、客数が好調で、2023年4月から12カ月連続で前年比をクリアした。特にスーパーマーケット事業は、2023年3月から既存店売上高が13カ月連続で前年比をクリアしており、24年3月期の売上高はコロナ前水準(2019年度売上高2554億円)を超えた」と述べた。

スーパーマーケット事業の売上高(外部顧客)は2039億2500万円(5.4%増)、セグメント利益は20億3700万円(145.1%増)。

設備投資では、スクラップアンドリプレイスにより練馬中村南店(東京都練馬区)の1店舗を新設し、一方でina21練馬中村南店(東京都練馬区)、ina21町田相原駅前店(東京都町田市)、立川南口店(東京都立川市)、スクラップ・アンド・ビルドを目的に川崎中野島店(川崎市多摩区)の4店舗を閉鎖した。

また、既存店の活性化を引き続き推進し、横浜左近山店(横浜市旭区)、毛呂店(埼玉県入間郡毛呂山町)、調布仙川店(東京都調布市)など16店舗の改装。3月末における店舗数は、前期から3店舗減少し130店舗となっている。

本杉社長は「コロナ禍で遅れ気味だった店舗リニューアルを推進。改装した16店舗のうち、旗艦店ともいえる重要な6店舗で、2週間程度休業する大規模リニューアルを実施した。生鮮3品を融合したゾーン、総菜・ベーカリーといった即食ゾーン、冷凍食品売り場を強化した。小型店で、他店で製造したでき立てのパンを19店舗でサテライト販売している。商品を選ぶ楽しさを提供し、製造店舗の稼働率を拡大、既存店の活性化を進めている」と説明している。

ドラッグストア事業の売上高(外部顧客)は461億9600万円(5.8%増)、セグメント利益は5億8900万円(22.3%減)既存店売上高は4.9%増、客数1.3%増。

出店と改装、調剤併設の推進を図るとともにECのチャネル拡大を推進。EC売上高は21億円(前期比14.4%増)だった。

新物流センターへ完全移行することで店舗着荷作業軽減により、人時売上高を改善し、1万9929円(4.9%増)となっている。

設備投資は、調剤薬局併設の東村山富士見町3丁目店(東京都東村山市)の1店舗を新設し、一方で新座片山店(埼玉県新座市)、二俣川北口店(横浜市旭区)、ふじみ野店(埼玉県ふじみ野市)、越谷店(埼玉県越谷市)の店舗を閉鎖した。

既存店の活性化のため、花小金井駅前店(東京都小平市)など23店舗の改装を実施し、国立矢川店(東京都国立市)では新たに調剤薬局を併設した。3月末における店舗数は140店舗。

なお、イオンは2023年4月25日、いなげやを子会社化し、U.S.M.Hと経営統合することを発表。株式交換により、いなげやはU.S.M.Hの完全子会社となる。11月28日上場廃止(最終売買日11月27日)の予定で、通期業績予想は公表していない。

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