中国、超長期特別国債1兆元を発行へ 景気支援へ17日から

[上海/北京 13日 ロイター] - 中国財政省は13日、期間20年─50年の超長期特別債の発行を17日から開始すると明らかにした。景気下支えが狙い。

複数の関係筋が、17日から1兆元(1382億3000万ドル)の超長期特別国債の発行が始まると指摘、財政省はこの情報を確認した。

関係筋によると、内訳は20年債が3000億元、30年債が6000億元、50年債が1000億元。

財政省によると、30年債は17日から11月15日まで12トランシェに分けて発行される。20年債は今月24日から7トランシェ、50年債は17日から3トランシェに分けて発行されるという。

李強首相は13日、主要な国家戦略の実行支援と重要分野での安全保障能力を構築に向け、超長期特別国債を有効に活用するよう関係当局に求めた。国営メディアが報じたもので、中国は今年および今後数年の主要課題のため、従来の政策と特別政策を調整して活用すると伝えた。

超長期特別国債の発行計画は3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で初めて発表され、市場参加者の注目が集まっている。

国営メディアによると、調達した資金は自然災害への耐性を高めるため、被災地の復興支援や都市部の排水関連の防災インフラの整備に充てる。

超長期特別国債の発行は予想されていたため、詳細に関するニュースを受けて債券利回りは小幅低下。30年債利回りは2ベーシスポイント(bp)低下し2.55%。今年30bp低下している。

上海安放私募基金管理の幹部は、国債の供給は価格を圧迫する要因だが、織り込み済みだったと指摘。「また、市場は中国人民銀行(中央銀行)が利下げや預金準備率引き下げを通じて流動性を支援すると予想している」と述べた。

11日発表の中国の4月の社会融資総量は過去最低の伸びを記録していた。

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