日航機、福岡空港で停止線越え 離陸機が急ブレーキ、国交省調査

福岡空港=2023年7月

 福岡空港で10日、離陸前の日航機が管制官の許可なく滑走路手前の停止線を越えていたことが13日、国土交通省への取材で分かった。影響で滑走路を走行していた別の航空機が急ブレーキをかけて離陸を中止し、その後欠航となった。国交省が原因を調査している。けが人はいなかった。

 国交省によると、10日午後0時20分ごろ、福岡発羽田行き日航312便ボーイング787が無許可で停止線を越えた。滑走路では松山行きのジェイエア機が離陸に向けて走行しており、管制官は日航機とジェイエア機の双方に停止を指示した。

 ジェイエア機は日航機の数百メートル手前で停止。その後、日航機は翼の一部が滑走路に入った。急ブレーキの影響でジェイエア機は機体の安全確認などが必要になったため欠航。日航機は予定より遅れて運航した。

 日航は「ご心配をおかけして申し訳ない。管制との交信内容を含め、原因分析と再発防止に努める」としている。

 国交省は両機に十分な距離があったことなどから、事故につながりかねない重大インシデントには当たらないとしている。

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