SUBARU、トヨタと共同開発のEV相互供給 26年末までに投入

Maki Shiraki

[東京 13日 ロイター] - SUBARU(スバル)の大崎篤社長は13日の決算会見で、2026年末までに投入する予定の電気自動車(EV)4車種はトヨタ自動車と共同開発した上で、スバルの矢島工場で生産するEVをトヨタに、トヨタの米国工場で生産するEVをスバルにそれぞれ供給する予定と明らかにした。

米国では需要が旺盛なハイブリッド車(HV)の販売も強化する。トヨタのハイブリッドシステムをベースにスバルの水平対向エンジンを搭載した次世代システムを次期「フォレスター」に続き、「クロストレック」にも展開する。次期フォレスターのガソリン車とHVは日本だけでなく、今後は米インディアナ州の工場でも生産を始める予定で、需要に応じて柔軟な生産態勢を構える。

大崎社長は、EVの黎明期は先行きを見通すのが難しく「両社でリスクを軽減」しながら進めるが、普及期は「アライアンスに加えて、自社の開発もしっかりやっていく」と述べた。販売中の「ソルテラ」を含むトヨタとの共同開発車4車種は全てスポーツ多目的車(SUV)タイプを予定する。

足元でEVの成長が減速していることについては「もともと想定はしていたが、中長期的に見た場合は一定程度(EVが)普及していく流れは大きくは変わらない」との見方を示した。28年にEVの米国販売を40万台にする計画を掲げているが、達成に向けては「最終的にはマーケットが決めることだ」と語った。

米国でのEV生産拠点は「引き続き慎重に検討を進めている」とした。拠点選定にあたり、米国大統領選は「1つの判断材料にはなるかもしれないが、それだけではない」と指摘。経済やEV普及状況、顧客の志向、インフラなど「総合的に勘案して決める」と話した。

スバルはこの日、25年3月期(今期)の連結営業利益が前年比14.6%減の4000億円になる見通しと発表。研究開発費や販売奨励金の増加、為替影響が響く見込み。会社予想はIBESがまとめたアナリスト16人の予測平均値3534億円を上回る。今期の前提為替レートは1ドル=142円(前期は144円)、1ユーロ=153円(154円)、世界販売は前年比0.4%増の98万台を計画する。

同社が中央翼などの部品製造を担う米ボーイング機の品質問題の影響に関して、大崎社長は「報道の内容程度にとどまっており、色々な情報を集めている段階」とし、現時点でどんな影響を及ぼすかまでは「きちんと整理できていない」と語った。

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